矮性ソラマメ‘倫玲’はブラシノステロイド生合成欠損変異体である

タイトル 矮性ソラマメ‘倫玲’はブラシノステロイド生合成欠損変異体である
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 花き研究所
研究期間 2001~2005
研究担当者 中山真義
藤岡昭三(理化学研究所)
福田直子
発行年度 2003
要約 食用だけでなく観賞用にも利用できるソラマメ矮性品種‘倫玲’は24-メチレンコレステロールからカンペステロールへの代謝が欠損したブラシノステロイド生合成欠損変異体である。この形質を支配する劣性の遺伝子の記号をbdd1 とする。
キーワード ソラマメ、矮性、耐雪性、ブラシノステロイド欠損変異体
背景・ねらい
矮性形質は花きの観賞性を高める用途を広げるのみならず、作物の生産性向上に寄与する形質である。γ線照射突然変異体から選抜されたソラマメの矮性品種‘倫玲’は、淡紫の花や濃緑の葉や莢が美しく、観賞用にも利用できる品種である。本品種は野生型品種の約70%の草丈で、積雪下環境に耐えて越冬する能力‘耐雪性’が他の品種よりも顕著に強い形質を有する。‘倫玲’の矮性形質の生理的な原因を解明する。
成果の内容・特徴 1.
‘倫玲’は植物ホルモンである外生ブラシノライドに対し濃度依存的に反応し、節間と葉柄長が伸長し、葉色が淡色化することで、野生型と同様な形質に復帰する(図1)。
2.
‘倫玲’からは活性型ブラシノステロイドが検出されない。ブラシノステロイドの前駆体である24-メチレンコレステロール含量が野生型の約20倍であるのに対して、カンペステロール含量が1/1000と顕著に低い。‘倫玲’は24-メチレンコレステロールからカンペステロールへの代謝能が欠損したブラシノステロイド生合成欠損変異体である(図2)。
3.
‘倫玲’と野生型品種のF1 は全て野生型を示し、F2の表現型は3:1に分離する(表)。倫玲型の矮性形質は劣性の1遺伝子に支配されており、本遺伝子の記号をbrassinosteroid deficit dwarf 1 : bdd1 とする。
成果の活用面・留意点 1.
ブラシノステロイドの機能解析の研究材料として利用できる。
2.
‘倫玲’は北越農事(株)により品種登録されている。
図表1 212785-1.jpg
図表2 212785-2.gif
図表3 212785-3.gif
カテゴリ そらまめ 品種

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