カロテノイド分解酵素遺伝子の発現抑制によるキク花色の改変

タイトル カロテノイド分解酵素遺伝子の発現抑制によるキク花色の改変
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 2006~2008
研究担当者 間竜太郎
岸本早苗
大宮あけみ
能岡智
発行年度 2006
要約 遺伝子導入でキクの白色花弁におけるカロテノイド分解酵素遺伝子(CmCCD4a)の発現を抑制することにより、花弁が黄色に変化した形質転換体が得られる。
キーワード キク、カロテノイド、カロテノイド分解酵素、花弁
背景・ねらい  キクには枝変わり品種が多数存在するが、キクの枝変わりでは白色から黄色の方向しか変化しない。その際、草丈、草勢、花径などが減少し品質が低下する傾向にある。キク花弁の黄色は主にカロテノイドによるものであるが、カロテノイド生合成系・分解系酵素遺伝子の導入による白色から黄色への花色改変が可能になれば、高品質の黄色品種を得ることができる。そこで本研究では、カロテノイド分解酵素遺伝子(CmCCD4a)の発現を抑制し、白色花弁を黄色へ改変することを試みた。
成果の内容・特徴
  1. カロテノイド分解酵素ホモログ(CmCCD4a)の発現抑制用コンストラクト(RNAiコンストラクト)を白花系品種’セイマリン’に導入すると、花弁が黄色に変化した形質転換体が得られる(図1)。
  2. 花弁が黄色に変化した形質転換体では花弁にカロテノイドが蓄積し、CmCCD4aの発現が野生型に比べて98%以上抑えられている(図2)。
  3. 白色花弁では、カロテノイド生合成系酵素遺伝子が黄色花弁と同様に発現している(平成17年度成果情報)。
  4. 以上の結果から、キクの白色花弁ではカロテノイドを合成しているが、発達中期以降に発現が増加するCmCCD4aにより分解され、白色が形成されるものと考えられる。
成果の活用面・留意点
  1. RNAi法による遺伝子導入でCmCCD4a遺伝子の発現を抑えることによって、白色花弁を黄色花弁に改変できる可能性が示され、遺伝子組換えによるキクの花色改変に活用できる。
  2. カロテノイドによる花色発現のメカニズムに関する新しい知見であり、黄色品種及び白色品種の育種のために広く利用できる。
図表1 212822-1.jpg
図表2 212822-2.jpg
カテゴリ 育種 きく シカ 品種

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