トルコギキョウ施設栽培における効果的な二酸化炭素の施用方法

タイトル トルコギキョウ施設栽培における効果的な二酸化炭素の施用方法
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 2005~2007
研究担当者 牛尾亜由子
池口厚男(畜草研)
島地英夫
奥島里美(農工研)
佐瀬勘紀(農工研)
福田直子
発行年度 2007
要約  トルコギキョウの冬季施設栽培においては、二酸化炭素施用を光強度の強い日中に行うことによって、慣行の施用法より大幅な光合成促進が見込める。強光かつ高二酸化炭素濃度下では光合成適温が高温域に移動するため、温室換気温度設定を慣行より高めることで、さらなる光合成促進が可能となる。
キーワード トルコギキョウ、光合成、二酸化炭素施用、環境制御
背景・ねらい
 冬季のトルコギキョウ栽培では、施設内の保温を目的として日中の温室換気回数を制限すると、外気との換気が不十分となるため施設内の二酸化炭素濃度は低下し、二酸化炭素欠乏となる。施設栽培における人為的な二酸化炭素施用は作物の光合成を促進し、生産性を高めるが、過剰に施用された二酸化炭素は大気中に排出され、地球温暖化の原因物質となる。そこでトルコギキョウの冬季の施設栽培における、効果的で環境負荷の少ない二酸化炭素施用方法を開発する。
成果の内容・特徴 1.様々な環境条件下におけるトルコギキョウの光合成速度を実測してモデル計算に必要なパラメータを決定し、光合成生化学モデル(Farquhar 1980)を基に、施設内における環境要因を組み込んだトルコギキョウの光合成予測モデルを開発した(図1)。
2.開発した光合成予測モデルを用い、トルコギキョウの冬季施設栽培における効果的な二酸化炭素施用方法を検討したところ、光強度の強い日中の時間帯に二酸化炭素施用を行うことによって、慣行法(換気温度設定25℃、早朝6時~10時に1,000ppm二酸化炭素を施用)より約70%増の光合成促進効果が見込める(図2、3)。
3.トルコギキョウの光飽和条件下における光合成適温は、大気二酸化炭素濃度下(370ppm)では25~30℃であるが、高二酸化炭素濃度下(1,000ppm)では30~35℃の高温域に移動する(図4)。従って、光強度が強く温室内部気温の上昇しやすい日中に、温室の換気温度設定を35℃程度に高めて二酸化炭素施用を行うことで、さらなる光合成促進が可能となる。

成果の活用面・留意点
1.試算結果は図2に記載した試算条件に基づいたものである。
2.作成した光合成予測モデルでは、トルコギキョウのほかバラでも同様の試算結果が得られた。
3.今回の試算では晴天日を想定しているが、曇天日であっても二酸化炭素施用は光強度の強い日中に行う方が効果的である。
図表1 212833-1.gif
図表2 212833-2.gif
図表3 212833-3.gif
図表4 212833-4.gif
カテゴリ 環境制御 施設栽培 トルコギキョウ ばら

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