EOD-FR処理はジベレリン応答性の変化を介してキクの茎伸長を促進する

タイトル EOD-FR処理はジベレリン応答性の変化を介してキクの茎伸長を促進する
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 花き研究所
研究期間 2006~2007
研究担当者 久松 完
住友克彦
清水 浩(茨城大)
発行年度 2007
要約  明期終了時の短時間遠赤色光照射(EOD-FR)処理は、キクの短日処理開始後の茎伸長促進に有効である。ジベレリン(GA)応答性の変化がEOD-FR処理による伸長促進の一要因である。
キーワード キク、EOD-FR、茎伸長、ジベレリン
背景・ねらい
 植物の生育過程において、光は光合成のエネルギー源としてばかりでなく生育調節のための情報としても重要である。そのうち、明期終了時の短時間遠赤色光(730nm付近)照射(EOD-FR)が赤/遠赤色光受容体やフィトクロムを介して伸長反応や開花反応に影響することが知られている。そこで、キク切り花生産へのEOD-FR反応の活用の可能性を探るため、キクに対するEOD-FR処理の影響について、生育反応を解析するとともにジベレリン(GA)との関連について検討する。
成果の内容・特徴 1.短日条件(9時間日長)下でのEOD-FR処理により、キクの茎伸長が促進されるが、花芽分化には処理の影響はみられない(図1)。
2.EOD-FR処理による伸長促進効果は一過的に現れるのではなく、処理開始24時間後までの持続的な促進効果が確認される(図2)。
3.茎伸長はジベレリン生合成阻害剤ウニコナゾール(UCZ) 処理により抑制され、EOD-FR処理しても伸長しない。この抑制はGA投与により回復することから、伸長ならびにEOD-FR処理に対する反応にはGAが関与している(図3)。
4.GA生合成遺伝子のうち解析したGA20酸化酵素遺伝子(2種類)、GA3酸化酵素遺伝子(2種類)、GA2酸化酵素遺伝子(1種類)について、EOD-FR処理による茎伸長促進に応じた発現量の変化は認められない(データ略)。
5.GAを投与した場合にEOD-FR処理により茎伸長が促進されることから、EOD-FR処理によりGA応答性は増大すると考えられる(図3)。

成果の活用面・留意点
1.本実験は、キク「神馬」を供試し、9時間日長、20/15℃(明期/暗期)条件に設定した人工気象器内で得られた結果である。
2.圃場条件で利用可能なFR光源が導入された場合、伸長調節手法として活用可能である。
図表1 212838-1.jpg
図表2 212838-2.gif
図表3 212838-3.gif
カテゴリ きく

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