モモ未熟種子におけるジベレリンの同定と新物質の発見

タイトル モモ未熟種子におけるジベレリンの同定と新物質の発見
担当機関 野菜・茶業試験場
研究期間 1998~2000
研究担当者 Lewis N. Mander(オーストラリア国立大)
横田孝雄(帝京大学)
腰岡政二
中山真義
発行年度 1998
要約 モモの未熟種子における内生ジベレリンを分析し、14 種類を同定した。そのなかで4種は新物質であり、それぞれ GA118、GA119、GA120、GA121 と命名した。
背景・ねらい
ジベレリンは多くの植物において、生育・開花制御に関与していると考えられている。中でもジベレリン
A3(GA3) は、C1,2位二重結合と C3β位水酸基を有する、最も活性の高いジベレリンである。Prunus 属植物の未熟種子には GA3 が内生ジベレリンとして存在することが知られている。そこでモモの未熟種子における GA3存在とその生成過程を知るために、内生ジベレリンを分析する。
成果の内容・特徴 モモ「勘助白桃」の未熟種子(開花 40 日後)をメタノールで抽出し、ODS-HPLC
等で精製した後、メチルエステル-トリメチルシリルエーテル誘導体として
GC-MS で分析を行った。
  1.  モモの未熟種子の内生ジベレリンとして GA3を初めて同定したほか、GA9、GA17、GA19、GA30、GA44、GA53、GA63、GA95、GA97、1α-hydroxy GA20、1α-hydroxy GA9、1,2-dehyd- ro GA9、1,2-dehydro GA70 を同定した(図)。
  2.  1α-hydroxy GA20、1α-hydroxy GA9、1,2-dehydro GA9、1,2-dehydro GA70 は新規ジベレリンであり、それぞれ GA118、GA119、GA120、GA121 と命名した。
  3.  GA3 と同様に C1,2位に二重結合を有する GA30、GA95、GA120、GA121 が検出された。
成果の活用面・留意点
  1.  未熟種子における内生ジベレリンの理解が進んだことで、ジベレリンの発現機構と種子成熟、種子発芽との関連を解明するための手がかりが得られる。
  2.  高い活性を有する GA3生合成の研究と、その制御技術の開発につながる。
図表1 212966-1.gif
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