AFLP 法によるビワ品種・系統の識別

タイトル AFLP 法によるビワ品種・系統の識別
担当機関 長崎県果樹試験場
研究期間 1973~1999
研究担当者 林 建樹*(*果樹試験場)
山本俊哉*
寺井理治
松田長生*
池谷祐幸*
稗圃直史
福田伸二
発行年度 1999
要約 ビワの幼葉から DNA を抽出し、AFLP 法で分析することによって、供試したビワの 12 品種・系統すべてを 11 本以上のバンド差で識別することが可能である。
背景・ねらい
 DNA は、栽培条件や環境の変化を受けないので、生物の品種や個体を特定・識別する手法として多く利用されている。外観調査に DNA 分析結果を加味すると、より正確な識別が可能となる。日本のビワは、果実特性や樹性が似ているため、形態で品種・系統を識別することは困難である。そこで、近年効率の良い再現性の高い DNA マーカーとして注目されている AFLP(Amplified Fragment Length Polymorphism)法を用いてビワの品種・系統の識別法を確立する。
 この研究は、果樹試験場の依頼研究員として行った研究の成果である。
成果の内容・特徴
  1.  合計9組合わせのプライマーセットを用いて分析した結果、310 本の増幅バンドが得られ、うち 167 本が 12 品種・系統間で多型を示した。供試 12 品種・系統すべてを 11 本以上のバンド差で識別することができた(表1)。 また、167 本の多型フラグメントのうち、タイワンビワを除く品種・系統間では 77 本が多型を示した。
  2.  種の異なるタイワンビワとは、120 本以上のバンド差で識別が可能であった。
  3.  E-ACA/M-CATプライマーセットで最も多くのバンドと多型が得られた。品種・系統特異的フラグメントは合計 74 本が検出され、特に E-ACT/M-CAG 338bpバンドは「湯川」のみ、また、E-ACA/M-CAT 276bpバンドは「房光」のみで観察される等(表2)、本品種を識別する DNA マーカーとして利用が可能である。
成果の活用面・留意点
  1.  効率的にビワ育種を行う手段として、AFLP 法は品種の確認や実生の交雑親の推定などに利用することができる。
  2.  今回得られたバンドは将来、形質に連鎖する DNA マーカーとして利用できる可能性がある。
図表1 212983-1.gif
図表2 212983-2.gif
カテゴリ 育種 栽培条件 DNAマーカー びわ 品種

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