リーフディスク法によるブドウべと病耐病性の簡易判定

タイトル リーフディスク法によるブドウべと病耐病性の簡易判定
担当機関 山梨果樹試
研究期間 2000~2005
研究担当者 宇土幸伸
齋藤寿広
三宅正則
近藤真理
別所英男
発行年度 2005
要約 べと病に対するブドウ品種の耐病性程度は、新梢先端3~5枚目の葉から作製するリーフディスクにべと病菌を噴霧接種することにより簡 易に判定できる。この方法により、効率よくべと病耐病性を有した新品種を選抜できる。
キーワード ブドウ、べと病、耐病性、リーフディスク法
背景・ねらい 「べと病」はブドウの主要病害であり、低温多雨の年には非常に大きな被害が発生する。食の安全性や環境負荷の軽減が望まれるなか、べ と病耐病性を有する品種の育成は、生産安定と直接的に薬剤防除の軽減につながる方策となる。これまで正確にべと病耐病性を判定するには、薬剤無散布圃場に おいて発病程度を評価する必要があり、多大な労力と時間を要した。耐病性を有する品種を効率的に選抜するため、精度が高くかつ簡易な検定法を開発する。
成果の内容・特徴 1.
リーフディスク法とは、直径1~2cmの円形にくり抜いたブドウ葉を湿室条件にしたシャーレ内に配置し、べと病菌を噴霧接種すること により発病させる検定方法である(図1)。
2.
検定条件は、接種胞子濃度1×10個/ml、培養日数7日間(恒温器内、温度:19℃、湿度:100%)、 リーフディスク枚数74枚(シャーレ2枚分)とする。
3.
リーフディスクに供試する植物体の生育ステージは、最も発病度にばらつきが少ない新梢先端から3~5枚目の葉を用いる(表1)。
4.
耐病性は対照品種との発病度を比較することにより判定する。発病度は、発病の程度をリーフディスクの胞子形成した面積によって0:な し、1:1~10%、2:11~25%、3:26~50%、4:51~75%、5:76~100%の6段階の指数で示し、次式により算出する。 発病度= {Σ(指数×程度別発病リーフディスク数)/(全調査リーフディスク数)×5}×100
5.
接種時期の違いによる反復試験を行った結果、「ピオーネ」では数値にばらつきがみられたが、品種間の耐病性程度は同様の傾向を示した (表2)。このことから、6月上旬~8月上旬の期間では正確に検定を行 うことが可能である。
6.
薬剤無散布の圃場試験における発病度の品種間差異とリーフディスク法による評価はほぼ一致する(図2)。したがって本方法はべと病耐病性を正確かつ簡易に判定できる手法で ある。
成果の活用面・留意点
1.
薬剤無散布の圃場試験での耐病性の判定と比較して労力が大幅に削減できるため、新品種を育成する際、耐病性を有する個体が効率よく選 抜される。
2.
葉位は、葉身が10円玉大以上に展開したものを1枚目として数える。
3.
リーフディスクに供試する葉は、薬剤を散布していない、伸長を続ける新梢から採取する。
図表1 213167-1.jpg
図表2 213167-2.jpg
図表3 213167-3.jpg
図表4 213167-4.jpg
カテゴリ 病害虫 くり 新品種 品種 ぶどう 防除 薬剤

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