木製すのこによるパドックの泥ねい化防止技術

タイトル 木製すのこによるパドックの泥ねい化防止技術
担当機関 (独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 1999~2001
研究担当者 佐藤義和
中村正斗
矢用健一
発行年度 2001
要約 木口断面の長辺が地面に垂直になるようにして作成した木材薄板製すのこを地表面に埋設することによって、牛の蹄による土のねり返しを防ぎ、パドック、通路、飼槽や水槽の周囲などの泥ねい化を防止できる。
キーワード 泥ねい化、乳牛、肉牛、パドック、通路、飼槽、水槽
背景・ねらい
舗装していないパドックや通路は容易に泥ねい化し、①蹄病の増加、②乳房炎の増加、③家畜や畜舎の汚れ、④正常な運動の阻害、⑤作業能率の低下、などを引き起こす。舗装を行うことは、牛の肢蹄への負担の増加、暑熱期の放射環境の悪化、施設費の増加、などにつながる。そこで、断面の小さい木材を使用し、土の軟らかさを失うことなく、泥ねい化を防止できる技術の開発を行った。
成果の内容・特徴
1.
木口断面の長辺が地面に垂直になるようにして作成した木材薄板製すのこを地表面に埋設することによって、牛の蹄による土のねり返しを防ぎ、パドックや通路の泥ねい化を防止することが可能である(図1、図2)。
2.
単位面積当たりに必要な木材の量を低減するために、断面が12×90mmの木材を使用する。すのこの間隔は、牛の蹄が常に2~3本の木材に載るように45mm程度とする。スペーサーには木材片およびポリエチレンパイプが使用可能である。長手方向約2mごとにスペーサーを入れ、径12mmのボルトおよびナットで固定する。
3.
設置箇所の地表面をすのこの厚さだけ掘削し、すのこを置き、充填と締め固めが容易で透水性が現況地盤程度以上の土で埋め戻す。埋め戻した後にトラクタやホイールローダで低速で走行して締め固める。すのこの上に2~3cmの土がかぶるようにする。設置箇所は鋼製のバケットなどで除ふんすることが可能である。
4.
搾乳牛約40頭が飼育されているフリーストールのパドック内の水槽前に、約30m2の施工(幅1m、長さ3.6mのユニットを8ユニット設置し、火山礫で埋め戻し)を行い2年間使用し、すのこが土中に埋没したり破損したりせず、泥ねい化の発生を防止できることを確認した(図3)。すのこを設置した場所(実験区)とその近傍で設置しなかった場所(対照区)とで地表面の山中式硬度を測定した。山中式硬度は常に実験区で大きい値を示し、降雨があっても短期間のうちに回復する傾向が認められた(図4)。
5.
単位面積当たりの材料費は、コンクリート舗装費、あるいは、以前開発されたエキスパンドメタルとジオテキスタイルを用いる方法よりも安価である。
成果の活用面・留意点
1.
すのこ上の堆積物が泥ねい状態になることを防ぎ、かつ、すのこの損耗を低減するため、すのこの上に若干の土がかぶった状態を保つ。
2.
すのこの連結部分に段差が生じないように施工し、除ふんの際にはバケットをすのこの長手方向に後進させて作業するなどしてすのこの破損を防ぐ。
3.
与えられる荷重やその頻度が大きい場所では、すのこに使用する板材の厚さを15~20mmにしてもよい。
4.
掘削を行わずに、すのこの高さまで土で覆っても施工可能であるが、縁部の保護が必要である。
5.
防腐剤の有無と種類が耐用年数に及ぼす影響について実験を継続中である。
6.
平成13年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「木製すのこによるパドックの泥ねい化防止技術」(普及推進)
図表1 213280-1.gif
図表2 213280-2.jpg
図表3 213280-3.jpg
図表4 213280-4.gif
カテゴリ かぶ 除ふん 肉牛 乳牛

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