タイトル | 大規模畑作地帯におけるキャベツの機械収穫作業体系の経営的評価 |
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担当機関 | (独)農業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2001~2003 |
研究担当者 |
天野哲郎 八谷満 吉川行文 山縣真人 小島誠 若林勝史 |
発行年度 | 2001 |
要約 | 大規模畑作地帯でのキャベツ機械収穫作業においては、市販の一斉収穫機にトレーラを伴走させて切取作業と調製・箱詰め作業を同時工程で行う新機械収穫体系の導入可能性がある。 |
キーワード | キャベツ、収穫機、トレーラ伴走、投資の経済性 |
背景・ねらい | 北海道畑作においてはキャベツの導入が図られてきたが、投下労働時間がと多いことが一因で伸び悩んでいる。特に収穫作業は手作業で37.8人・時/10a(道農政部「北海道生産技術体系第2版」)もの投下労働時間を要し作付拡大を制約することから、機械化体系の確立が求められる。開発中の新機械収穫体系の、実証試験における作業能率から開発段階における経営的評価を行い、今後の産地戦略策定の参考に資する。 |
成果の内容・特徴 | 1. 北農研開発による新機械収穫体系は、収穫機にトレーラが伴走し、切取・調製・箱詰・搬出を同時作業工程で行うものである。具体的には、 トレーラを牽引するトラクタを有線リモコンで操作し、収穫機後部にオペレータ1人、トレーラ上に2人の3人組作業で行う(写真1)。 2. この収穫方式では180m畦往復分の製品(100箱程度)を積載でき、収穫・運搬効率が高い。現地実証圃での初年目試験結果から推計すると、10.8cm/sec程度の作業速度、24人・時/10a程度の延べ投下労働時間と慣行の手収穫と、比較して省力化が期待できる(表1)。また、この方式では手取り収穫に比し作業強度及び作業姿勢の両面で軽労化効果が大きい。 3. 対象地の標準的な畑作・野菜作経営(家族労働力3人、経営耕地面積20~30ha)を想定した線型計画法の試算によれば、新機械収穫体系の導入によりキャベツ面積が拡大して、相対的に低収益な作物(コムギ、スイートコーン)が減少する(図1)。 4. このような収益の増加によって、事業ベースでの導入を前提とすれば投資は概ね回収できるものと推計され、軽労化指向の農家での導入が期待できる。さらに、オペレータの作業負担やトレーラ上の機器配置等の改善による作業速度の向上や、組作業人員の削減(3人→2人)などが達成されればより広範な導入が期待できる(図2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 同時作業体系は、北農研開発による伴走型のトレーラ作業車をベースとした。トレーラ作業車は2002年度実用化を目指して一部改良中である。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 機械化体系 キャベツ 経営管理 軽労化 収穫機 省力化 |