対抗植物を組み入れたキタネグサレセンチュウ被害軽減対策

タイトル 対抗植物を組み入れたキタネグサレセンチュウ被害軽減対策
担当機関 十勝農試
研究期間 1998~2002
研究担当者 西田忠志
高宮泰宏
発行年度 2002
要約 キタネグサレセンチュウ被害に対する対抗植物として休閑緑肥のえん麦野生種、マリーゴールド、ハブソウが有望である。小麦収穫後の後作緑肥として導入するえん麦野生種は、線虫密度を90%以下にするためには、すき込み時の生育量を3000kg/10a確保する必要がある。
キーワード 根菜類、キタネグサレセンチュウ、対抗植物
背景・ねらい 根菜類に対するキタネグサレセンチュウ被害調査から、畑作地帯における慢性的な被害実態が明らかになっている。そこで、薬剤による防除だけではなく耕種的防除による根菜類の安定生産をめざして、対抗植物の積極的な導入を図る。
成果の内容・特徴
  1. キタネグサレセンチュウの対抗植物としてはマリーゴールド・ギニアグラス・えん麦野生種・ハブソウの4作物が有望であるが(表1)、ギニアグラスは寒冷地帯での安定栽培は現在の技術では困難である。
  2. 休閑緑肥としては対抗植物であるえん麦野生種、マリーゴールド、ハブソウが利用できる(表1)。
  3. 小麦収穫後の後作緑肥として、低温年においても比較的安定した生育量が得られる対抗植物はえん麦野生種のみである(表2)。
  4. 後作緑肥としてのえん麦野生種の生育量を3000kg/10a確保することにより、キタネグサレセンチュウ密度を概ね5頭/25g以下にすることができる(図1)
  5. えん麦野生種の春まき栽培におけるキタネグサレセンチュウの密度減少率は90%前後であると報告されているので、後作緑肥としての夏まき栽培においてもこれと同等の効果を得るには、えん麦野生種を8月10日頃には播種し、すき込み時の生育量を3000kg/10a(草丈で80cm程度)確保する必要がある(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. 畑作地帯における根菜類のキタネグサレセンチュウ被害軽減対策として活用する。
  2. 対抗植物を導入した圃場においても、その効果を確認する意味も含めて、作付け前の土壌検診による線虫密度の把握に努める。
図表1 213389-1.gif
図表2 213389-2.gif
図表3 213389-3.gif
図表4 213389-4.gif
カテゴリ 病害虫 えん麦 小麦 播種 防除 マリーゴールド 薬剤

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