タイトル |
主食用もち米の栽培管理指針 |
担当機関 |
上川農試 |
研究期間 |
2000~2002 |
研究担当者 |
五十嵐俊成
後藤英次
中森朋子
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発行年度 |
2002 |
要約 |
「はくちょうもち」の目標収量を500kg/10aとして、栽植密度22株/m2以上、総籾数30,000粒/m2、成熟期窒素吸収量10kg/10aと設定すると、土壌区分別の適正窒素施肥量は、台地土、低地土、泥炭土でそれぞれ8、9,6kg/10aである。
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キーワード |
もち米、玄米白度、精米白度、栽培管理指針
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背景・ねらい |
北海道産もち米は登熟温度が低いため「やわらかい」特性があり、主食用(おこわ、赤飯等)に使われている。この特性を活かしながら外観品質の向上と収量の安定性向上を図るため、品質変動要因を気象と肥培管理から明らかにし、高品質安定化のための栽培指針を示す。
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成果の内容・特徴 |
- 玄米白度、精米白度はタンパク質含有率、収量に比べて地域内変動が小さく、年次間の気象変動による影響が大きい。登熟期間の温度が高いほど玄米白度および精米白度とRVAピーク温度(RVAによる最高粘度における温度)は高まり、窒素施肥量の影響は小さい。
- 玄米白度を25以上にするためには1籾当たり登熟温度が250(℃/粒/m2×10-4)以上必要で、過度な籾数を着けないような肥培管理が重要である。平年登熟温度760℃では、1籾当たり登熟温度が250(℃/粒/m2×10-4)を満たす総籾数は30,000粒/m2程度である(図1)。
- 成熟期の窒素吸収量と総籾数の関係から、総籾数30,000粒/m2の場合の成熟期における窒素吸収量は10kg/10aであり(図2)、成熟期窒素吸収量10kg/10aと収量500kg/10aから判断される適正窒素施肥量は、台地土で8kg/10a、低地土で9kg/10a、泥炭土で6kg/10aである。
- 整粒歩合80%以上となる出穂後積算気温は800℃以上であるが、900℃以上では被害粒が増加することから、適期刈り取り時期は出穂後積算気温が800-900℃に達した日である。
- 玄米白度を向上させるためには登熟温度が高い時期に斉一に登熟をさせることが重要である。このため、初期生育の促進と穂揃い性を向上させるための栽植密度は22株/m2以上が望ましい。
- 未ハゼ粒の発生を防止するための仕上がり玄米平均水分は、過乾燥による胴割れ米の発生を考慮し15%を目標とする。
- 主食用もち米の高品質・安定化のための栽培管理フローを図3に示す。
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成果の活用面・留意点 |
- 「はくちょうもち」の外観品質向上のための栽培管理指針として活用する。
- 道央を除く、「はくちょうもち」の成苗栽培に適応する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
栽培技術
施肥
肥培管理
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