タイトル | 難消化性成分からみた北海道米の機能性解析 |
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担当機関 | 北海道立中央農業試験場 |
研究期間 | 2001~2002 |
研究担当者 |
柳原哲司 斉藤明子(道立衛研) |
発行年度 | 2002 |
要約 | 北海道米の高アミロース米はレジスタントスターチ含量が多く、ラットへの投与試験で盲腸内短鎖脂肪酸生成量が増加するほか、人血糖値の食後上昇量が低いなど、難消化性成分の機能性を活かした食品素材として有望である。 |
キーワード | 米の機能性、食物繊維、レジスタントスターチ、実需ニーズ |
背景・ねらい | 難消化性成分の特徴を活かした北海道米の機能性解析・評価をおこなうとともに、高機能な遺伝資源素材を探索し、新規用途開発の可能性を示す。 |
成果の内容・特徴 | 1. 米のアミロースとレジスタントスターチ(RS)含量には正の相関関係があり、高アミロース米は特異的に多くのRSを含むことが示され(図1)、食物繊維と類似の機能性を備えた食材として有望である。 2. 高アミロース米は、in vivo条件でもRSが特異的に多く生成し、ラットへの継続的投与では、腸内発酵が旺盛となり一般品種に比較して糞便重、盲腸重、盲腸内容物および盲腸内短鎖脂肪酸生成量が増加する(図2)。 3. 高アミロース米は一般米に比較して、ヒトに対する食後の血糖値上昇が緩慢で積算上昇量も極めて低いことから、過剰な血糖値上昇抑制を目的とした機能性食品素材として有望である。(図3)。 4. 米の実需では、「生活習慣病の予防を考えた日常的健康食材」の差別化商品アイテムの一つとして、新たな機能性米製品の開発が強く期待されている。また、病態食用途しての機能性米には、医学的な効果だけではなく、長期的に継続可能な食味や価格を備えた製品であることが求められ、流通形態としては、個別ニーズに対応できるように「個食単位の米飯あるいは精白米」が要望される。 5. 消費者は「健康食用途」ではあっても、機能性に関するデータや栽培履歴の明示を求めており、それらの条件が備えられれば付加価値に見合った、差別化商品としての価格設定も可能と考えられる。以上のニーズ調査を総合的に考察し、機能性米の開発と流通の実用化技術開発に向けた方向性と課題を示す(表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1. 北海道米の差別化を目指した新たな育種目標設定の参考となる 2. 機能性米流通の実用化に向けた具体的な技術開発の指針となる |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 育種 遺伝資源 機能性 機能性食品 ニーズ分析 品種 良食味 |