タイトル |
ソバ及びダッタンソバのルチン含量の簡易測定法 |
担当機関 |
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2003~2004 |
研究担当者 |
鈴木達郎
阿部英幸
本田裕
六笠裕治
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発行年度 |
2004 |
要約 |
ソバ粉のルチン含量は1.5mlチューブを用いた簡易測定法により、また、ダッタンソバ粉のルチン含量は、近赤外分光法により効率的に測定できる。
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キーワード |
ソバ、ダッタンソバ、ルチン、簡易測定法、近赤外分光法
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背景・ねらい |
ソバ及びダッタンソバは、血圧降下作用・抗酸化能などの機能性を持つルチンを含む。高機能性そば品種育成のためには、多数の育成系統のルチン含量を把握する必要がある。そこで、品種育成の効率化を図るため、ソバ及びダッタンソバのルチン含量の簡易測定方法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- ソバ粉ルチン含量の簡易抽出法
(1)慣行法と簡易法の測定値の間には高い相関関係がある(図1)。 (2)1.5mlチューブに30mgから80mgのソバ粉を秤量し、1mlのリン酸メタノール(0.1%リン酸の90%メタノール溶液)を加え、37℃3時間抽出後(途中3回かくはんする)、HPLCで分析する(図2)。 (3)簡易法は1.5mlチューブを使用するため操作性が良く、また、低温抽出で溶媒の蒸発がほとんど無いためメスアップを省略でき、作業時間を短縮できる(図2)。 (4)ルチン含量測定値の標準偏差は6.5%(30.0mg秤量、N=7)、また、ルチンの抽出効率は慣行法の92.7%であり、育成系統のルチン含量把握には十分精度が高い。 - ダッタンソバ粉ルチン含量の簡易測定法
(1)ダッタンソバ粉40試料を用いて検量線を作成し、それとは異なる20試料で検量線の精度を調査したところ、実測値と推定値の間には高い相関関係があり、高精度でルチン含量を推定できる(図3)。 (2)近赤外分光法による測定法は、試料の秤量、抽出、HPLC分析などを省略できるため効率的な測定ができる(図4)。 (3)ダッタンソバ粉のルチン含量の測定には選択波長領域1100nm~2498nmを用いる。
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成果の活用面・留意点 |
- ソバ及びダッタンソバの育種場面で、ルチン含量の簡易測定に活用できる。
- ソバ粉のルチン含量はダッタンソバ粉より低いため、近赤外分光法では推定できない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
育種
簡易測定
機能性
そば
品種
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