ウシ ES 細胞の樹立と ES 細胞由来クローン産子の作出

タイトル ウシ ES 細胞の樹立と ES 細胞由来クローン産子の作出
担当機関 受精卵移植科
研究期間 2002~2004
研究担当者 陰山聡一
横山和尚(理化学研究所バイオリソースセンター)
森安 悟
扇 勉
南橋 昭
尾上貞雄
平山博樹
澤井 健
齋藤成夫
発行年度 2004
要約 ウシ胚盤胞期胚の内部細胞塊(ICM)を単離培養することにより、未分化性および多分化能を保持した幹細胞(ES細胞)を樹立することができる。得られたES細胞は遺伝子導入が可能であり、また、ES細胞を用いた核移植によりクローン産子を作出できる。
キーワード 家畜繁殖、ウシ、ES細胞、遺伝子導入、クローン
成果の活用面・留意点
  1. ウシ胚盤胞期胚(15胚)の内部細胞塊(ICM)を単離培養した結果、4つ(27%)のICMにおいてフィーダー細胞への接着、伸展が観察され、15から20回の継代培養により株化された。得られた細胞株はアルカリフォスファターゼ活性を有し、SSEA-1、OCT-4およびSTAT-3遺伝子のいずれも発現していることが明らかとなった。
  2. ウシES細胞におけるリポフェクション法による遺伝子導入効率はウシ胎子繊維芽細胞(1%以下)よりも高い(5~8%)傾向がみられた。また、緑色蛍光蛋白質(EGFP)発現ウシES細胞を用いてキメラ形成能を検討した結果(表1)、ウシES細胞では胚盤胞期胚の42%においてICMもしくは栄養膜細胞およびその両方においてEGFP発現細胞が観察された。
  3. ウシES細胞をドナー細胞に用いた核移植および産子の作出を行った(表2)。ドナー細胞とレシピエント卵子の融合率ならびに核移植胚の分割率は高い値を示したが、胚盤胞期までの発生率においては著しく低い値(3~7%)となった。得られた胚盤胞期胚をレシピエント牛に移植した結果、いずれの区においても受胎(発情後42日目)が確認され、計3頭の産子を得た(表3)。

  1. 本試験で樹立されたウシES細胞は、ES細胞における最も重要な特性である未分化性および多分化能は十分確認されているが、キメラ個体での生殖細胞への寄与は確認していない。
  2. ウシES細胞をドナー細胞に用いた場合、胚盤胞形成率が低かったことから、ES細胞に特化した核移植法の検討が必要である。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「ウシES細胞の樹立とES細胞由来クローン産子の作出」(研究参考)
図表1 213511-1.jpg
カテゴリ 繁殖性改善

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