タイトル |
テンサイ黒根病の防除対策 |
担当機関 |
十勝農試 |
研究期間 |
1998~2004 |
研究担当者 |
有田敬俊
清水基滋
梶山努
田中文夫
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発行年度 |
2004 |
要約 |
テンサイ黒根病の被害は内部腐敗の進んだ株で大きく、感染時期が早いほど内部腐敗を生じる。フルアジナム水和剤の100倍液の苗床土壌潅注は省力的で有効である。品種、薬剤、石灰資材の組み合わせた防除対策では、抵抗性品種の利用が最も効果が高く安定している。
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キーワード |
テンサイ黒根病(Aphanomycescochlioides)、抵抗性品種、苗床土壌潅注、腐敗株率、防除対策
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成果の活用面・留意点 |
- テンサイ黒根病の被害解析から、根表面の粗皮症状のみ(指数2以下)では、根重、根中糖分への影響はない。しかし、内部腐敗が進んだ株では糖分が低下し、品質を加味した糖量(修正糖量)の減少が顕在化するため、本病の被害は、主として腐敗株率(発病指数3以上の株率)によって評価できる(表1)。
- 殺菌枠による接種試験では、移植後の感染時期が早いほど内部腐敗を生じやすい。
- 本病に対する防除薬剤は、フルアジナム水和剤100倍液の3ℓ/㎡苗床土壌潅注が最も省力的で有効である。ただし、少発生条件では薬剤費に見合う効果が期待できない場合がある。
- 石灰資材の施用により腐敗株率の低下が認められる事例は多いが、発生状況や圃場条件によって効果が判然としない場合もある。
- 圃場の排水対策は、本病の発病を軽減させる傾向にある。
- 直播栽培、移植栽培の違いによる発生の多少には一定の傾向は見られない。
- 基肥の増肥や追肥は本病の発生を助長する傾向にあるので、施肥基準を遵守する。連作は本病の発生を高める傾向にあるので、適正な輪作を行う。
- 少~中発生条件における品種、薬剤、石灰資材を組み合わせた防除対策は、抵抗性品種の利用が、最も効果が高く安定している。この抵抗性の利用は本病防除の基本となる(図1)。また、抵抗性の弱い品種では、薬剤処理の効果がみられる(図2)。石灰資材の施用は、いずれの事例においても明らかな防除効果が認められない(図3)。
平成16年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「テンサイ黒根病の防除対策」(指導参考)
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図表1 |
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カテゴリ |
病害虫
直播栽培
施肥
抵抗性
抵抗性品種
てんさい
品種
防除
薬剤
輪作
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