コムギ blue grain 品種の全粒粉の持つ抗酸化活性および種子休眠性

タイトル コムギ blue grain 品種の全粒粉の持つ抗酸化活性および種子休眠性
担当機関 (独)農業・生物系特定産業技術研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2000~2004
研究担当者 入来規雄
発行年度 2004
要約 コムギblue grain品種のアリューロン層には抗酸化物質であるアントシアニンが含まれており、全粒粉の配合によりパンの抗酸化活性が向上する。また、blue grainの形質の導入により種子休眠性が高まる。
キーワード コムギ、アントシアニン、blue grain、抗酸化活性、全粒粉、種子休眠性
成果の活用面・留意点
  1. 札幌でのblue grain品種(Sommer Berlin他6品種)の全粒粉のアントシアニン含量の品種間差は108~286μg/gであり、これらをを札幌、芽室、訓子府、つくば、福山、筑後で栽培することにより同含量の差異は68~371μg/gと大きくなり、blue grain品種のアントシアニン含量には環境要因による変動がある。
  2. 異なる栽培地で収穫したblue grain7品種のメタノール抽出溶液の抗酸化活性は、アントシアニン含量との間に正の相関がある(図1)。
  3. blue grain品種(UC66049)の全粒粉を市販粉と30:220の割合でブレンドしてパンに加工することにより、春播コムギ品種「ハルユタカ」の全粒粉をブレンドした場合よりも抗酸化活性の高い製品が得られる(表1)。
  4. blue grain品種「Blue Dark」に春播コムギ品種「ハルユタカ」を戻し交雑したBC7F4世代種子では、「ハルユタカ」に比べて全粒粉のメタノール抽出溶液の抗酸化活性が高い.また,「ハルユタカ」に比べて種子休眠性も高い(表2、図2)。

  1. blue grainの形質を利用し抗酸化活性の高い小麦全粒粉として新たな機能性小麦粉食品の開発が期待される。
  2. blue grainの形質は種子休眠性を高めることから、穂発芽耐性の向上が期待できる。
  3. blue grain品種では、アントシアニンはアリューロン層に含まれるため、通常の製粉ではふすまとして排出され、小麦粉にはアントシアニンが含まれない。そのため、全粒粉として利用する必要がある。
図表1 213553-1.jpg
カテゴリ 加工 機能性 品種

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