マイクロチューバーによる種馬鈴しょ栽培体系

タイトル マイクロチューバーによる種馬鈴しょ栽培体系
担当機関 十勝農試
研究期間 2002~2005
研究担当者 前野眞司
鈴木剛
発行年度 2005
要約 マイクロチューバーによる種馬鈴しょ栽培において、直播栽培では0.5g以上のサイズが、紙筒移植栽培では0.1~0.5gの小さなサイズが利用できる。密植栽培で枯凋期が早まり、種いも規格収量、種いも個数とも増加する。総合播種機、野菜用移植機が利用できる。
キーワード ジャガイモ、マイクロチューバー、種馬鈴しょ、栽培体系、直播、紙筒移植
背景・ねらい
種馬鈴しょ生産にマイクロチューバー(MT)を利用するために、MTの栽培特性を明らかにし、栽植密度等の試験により、MT直播栽培法、紙筒移植栽培法の検討や機械化栽培体系の検討を行う。

成果の内容・特徴 1.MT直播栽培法
催芽(芽出し)処理、密植栽培(株間15㎝)で枯凋期が早まる。密植栽培で増収し、特に浅植(深さ2㎝)を併用した処理区では、0.5~1.0gの中サイズMTの場合で、いも数が増加し、平均一個重は小さくなるが、種いも規格収量(全粒、半切りで使用できる20~120g)は普通種いも比106~139%、種いも個数は108~150%と高い(図1)。密植では中サイズMTは1.0~3.0gの大~特大サイズMTと同等の収量性が確保できる。
2.MT紙筒移植栽培法
0.1~0.5gの極小、小サイズのMTが紙筒移植で利用できる。育苗期間は17~25日間、草丈5~7㎝が目安である。 枯凋期は中サイズの直播よりやや早く、普通種いもに近い。密植により枯凋期はやや早まり、いも数が増加し、平均1個重も小さくなり、種いも規格収量、種いも個数が増加する(図2)。
3.機械作業体系
1)播種機によるMT直播播種精度に関して、中サイズの欠株率は,総合施肥播種機、真空播種機とも概ね5%以下である。催芽長が7~8㎜と長い場合、株間のばらつきが大きくなる。真空播種機では播種時にMTサイズが大きいほど塊茎や芽の損傷が増加する傾向がみられる。
2)移植機によるMT紙筒苗移植精度に関して、野菜用移植機による株間は,いずれの品種,MTサイズにおいても設定通りである。
3)MT紙筒移植栽培の機械除草に関して、半培土前に2~3回の中耕作業を行うことにより雑草発生を抑制できる。株間除草機で雑草処理効果が向上する。
4)機械収穫に関して、既存の収穫機で「こぼれ」が少なく収穫できる。
4.本試験の結果より、種馬鈴しょ栽培にMTを使用する場合の栽培体系を表1のとおりまとめた。

成果の活用面・留意点
1.「マイクロチューバーを用いた種馬鈴しょの増殖に関する取扱要領」(平成11年3月4日北海道農政部長通知 農産第2506号)を遵守する。
2.播種、移植以降の管理は「北海道種馬鈴しょ生産管理基準」を遵守する。

平成17年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
 「マイクロチューバーによる種馬鈴しょ栽培体系」(指導参考事項)
図表1 213564-1.jpg
図表2 213564-2.jpg
図表3 213564-3.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 機械化 栽培体系 雑草 直播栽培 収穫機 除草 除草機 施肥 播種 ばれいしょ 品種

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