加工用ばれいしょソイルコンディショニング体系の経営評価と導入条件

タイトル 加工用ばれいしょソイルコンディショニング体系の経営評価と導入条件
担当機関 (独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター
研究期間 2005~2006
研究担当者 細山隆夫
若林勝史
発行年度 2006
要約 加工用ばれいしょソイルコンディショニング体系はコントラクタを利用することで60kg当たり生産費と10a当たり労働時間を減少させ、40ha以上規模の農家で導入効果が見込める。
キーワード ソイルコンディショニング、加工用、バレイショ、北海道畑作
背景・ねらい 北海道畑作の重要な作目である加工用ばれいしょ生産の規格内収量の向上、低コスト化、省力化を促す新技術として、ソイルコンディショニング体系(図1)が注目されている。当体系はセパレータによって土塊・石礫を除去した播種床を造成することで規格内収量の向上が図られ、60kg当たり生産費が減少するものと期待されている。あわせて、収穫時に高速のオフセットハーベスタを利用することにより、10a当たり農家労働時間の減少も期待されている。
 しかし、当体系には高額な機械装備が必要であることから、個別経営への導入は容易ではない。本研究では芽室町・現地実証農家(42.8ha)を対象として、コントラクタへの委託を前提としたソイルコンディショニング体系の経営評価と導入条件を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 実証試験地のコントラクタを利用してソイルコンディショニング体系を導入した場合、10a当たり農家労働時間は慣行1体系に比べて77.4%にまで省力化できる。また、慣行1体系に比べて規格内収量が13.6%上昇し、60kg当たり生産費も92.4%にまで減少する(図2)。
  2. 経営面積40.1ha以上の経営ではコントラクタを利用したソイルコンディショニング体系の導入により、加工用ばれいしょや作業競合の生じる小麦、豆類等の作付面積拡大が可能となり、所得増大が見込める(図3)。
  3. 実証試験農家と同じ42.8ha規模の経営では、ソイルコンディショニング体系による規格内収量向上率(対慣行1体系比)が現在の13.6%であった場合、10a当たり28,125円以下の作業料金で当体系を導入する。一方、規格内収量向上率が慣行2体系よりも低い105%に満たない場合、現行よりも低い料金水準でなければ導入しない(図4)。
    このように、当体系の導入は規格内収量向上率にも大きく左右されることから、コントラクタでは播種床の造成時において精度の高い作業実施が求められる。
成果の活用面・留意点
  1. 線形計画法による試算結果は、ソイルコンディショニング体系を導入した場合に慣行体系の作業機を償却しないことを前提としている。
図表1 213800-1.jpg
図表2 213800-2.jpg
図表3 213800-3.jpg
図表4 213800-4.jpg
カテゴリ 加工 経営管理 小麦 収量向上 省力化 低コスト 播種 ばれいしょ

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