軟白みつばの高品質多収栽培技術

タイトル 軟白みつばの高品質多収栽培技術
担当機関 栽培環境科
研究期間 2004~2006
研究担当者 小倉玲奈
植野玲一郎
水越 亨
菅原章人
発行年度 2006
要約 軟白みつば栽培に適する品種、播種期、窒素施肥量、播種量および播種後処理、根株の魚箱への詰め方、伏せ込み管理(魚箱、地床)の差異、病害虫発生実態とその対策を明らかにし、軟白みつばの栽培管理暦モデルを提示する。
キーワード 軟白みつば、伏せ込み栽培、施肥量、病害虫防除、クリーン農業
背景・ねらい 軟白みつばは、ミツバの中でも最も価格が高く、正月を中心に需要が多い。軟白みつばの栽培期間は、6月の播種から12月~2月の収穫・出荷まで約8ヵ月に達し、夏季の露地根株養成と冬季のハウス伏せ込み栽培の2段階の管理が必要となる。軟白みつばの高品質・安定多収を目標に、伏せ込み栽培に適した良質な根株の養成技術の確立と、養成畑および伏せ込みハウスで問題となる病害虫の分類・同定、その適正な薬剤防除および代替資材の効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. みつば4品種の比較では「柳川二号」が、実験室での発芽率、圃場面積当たり根株生育量、軟白みつば収量ともに安定して優れる(表1)。
  2. 播種期は早くなるほど根株生育量が増加し、軟白みつば収量が増加するが、5月中の播種では抽だいが発生し収量が大きく低下する危険がある(表1)。播種量(7.0L/10a)は、より多くしても根株生育量はあまり変わらない(表1)。播種後処理は、「溝底籾殻処理」および「溝底籾殻灌水処理」が根株生育量と軟白みつば収量に優れる(表1)。窒素施肥量は、12kg/10aで軟白みつば収量が優れる(表2)。
  3. 魚箱に根株を緩く詰めた「3/4詰」の収量性は、年次により傾向が異なるが、伏せ込み面積が増えると暖房費が増加するため、標準的な量を詰め込む。現地で行われている「魚箱」伏せ込みと「地床」伏せ込みでは管理の特徴は異なるが、ともに有効な方法である(表2)。
  4. 茎径7mm以上根株重と軟白みつば収量の間には、有意な正の相関が認められる(r=0.805**,n=19)。養成株全体窒素吸収量に占める根窒素吸収量の割合(根窒素集積率)と軟白みつば収量の間には、有意な正の相関が認められる(r=0.963**,n=9)。
  5. 根株養成圃では、立枯病およびべと病の発生が比較的多いが、初発してからの化学農薬散布による臨機防除で対応可能である。また、伏せ込みハウスでは菌核病の発生が多く(表3)、その防除はイプロジオン水和剤の伏せ込み時灌注処理を必ず実施する。
  6. 根株養成圃および伏せ込みハウスで発生する害虫種を表3に示す。特に抽台した場合はヤナギフタオアブラムシがその株の花梗を好んで群生するため、発生状況に注意する。
  7. 本試験の結果をもとに「軟白みつばの栽培管理暦モデル」を提示する(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験は北海道央中部地域(上川管内)での試験結果である。
  2. 窒素用量試験は施肥前土壌熱水抽出性窒素3.6~4.9mg/100gの上川農試圃場で行ったものである。
図表1 213817-1.jpg
図表2 213817-2.jpg
図表3 213817-3.jpg
図表4 213817-4.jpg
カテゴリ 病害虫 害虫 くり 栽培技術 出荷調整 施肥 多収栽培技術 立枯病 農薬 播種 病害虫防除 品種 防除 みつば 薬剤

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