タイトル |
加工用ほうれんそうの露地栽培技術 |
担当機関 |
道立上川農試 |
研究期間 |
2003~2007 |
研究担当者 |
高宮泰宏
西田忠志
田中静幸
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発行年度 |
2007 |
要約 |
露地栽培加工用ほうれんそうについて、生産物の硝酸含有量を抑えて収量を確保するために必要な窒素施肥量は1.75kg/aである。土壌乾燥条件では、土壌水分保持効果の高い溝底播種を行うことで発芽が向上する。
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キーワード |
ほうれんそう、加工用、露地栽培、品種、硝酸、窒素施肥量、溝底播種
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背景・ねらい |
露地栽培加工用ほうれんそうについて、硝酸含有量を抑えた生産物の安定供給に向け、栽培実態の把握と問題点の抽出を行い、対応試験を実施し、栽培技術体系を提示する。
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成果の内容・特徴 |
- 調査により明らかになった栽培実態と問題点は以下の通りである。(1)栽培時期は工場の稼動体系によって決まっており、播種期は概ね5月上旬~6月上旬、収穫期は概ね6月下旬~7月中旬である。(2)主要品種は「プロセス27」であり、栽培品種には晩抽性、収量性、発芽性および収穫作業性が求められる。(3)栽植密度は畦間が54~60cm、株間が6~8cmである。(4)播種方法は、シーダーテープ播種である。発芽が不安定であることを課題に挙げた産地がある。(5)収穫時の草丈は概ね35~45cmであり、収量は青果用ほうれんそうのおおよそ2.5倍である。(6)手取り収穫をしており、収穫労力が多大であることが問題となっている。
- 品種特性調査の結果、総合的に「プロセス27」より優れる品種は見出せない(表1)。
- 上川農試圃場(礫質褐色低地土、熱水抽出性窒素3.0~3.4mg/100g)での窒素施肥量試験において、総収量は窒素施肥量1.75~2kg/aで最大となる。生産物の硝酸含有量は窒素施肥量が増加するにつれて多くなり、窒素施肥量2kg/aでは指標値3000ppm(1989北海道指導参考)を上回る。窒素吸収量、施肥窒素利用率、土壌残存硝酸態窒素の調査から、2kg/a以上の施用は効果がない。以上より、総合的に勘案すると露地栽培加工用ほうれんそうの適正な窒素施肥量は1.75kg/aである(図1)。
- 雨よけハウスでのモデル試験において、溝底播種は慣行播種に比べて深さ0~5cmの土壌水分含有率が高く維持され、特に土壌が乾燥した条件で発芽が良好となる(表2)。
- 以上により、加工用ほうれんそうの露地栽培技術体系を示す(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 加工用ほうれんそう産地及び新たに加工用ほうれんそう露地栽培に取り組む産地において、栽培上の参考とする。
- 溝底播種は慣行播種に比べて強い鎮圧がかかりやすく、播種時の土壌水分含有率が高い場合、土壌がしまり発芽に悪影響を及ぼすことがあるため、溝底播種を行う際には土壌がクラスト化しないように鎮圧の程度に留意する。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「加工用ほうれんそうの露地栽培技術」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
乾燥
栽培技術
施肥
播種
品種
ほうれんそう
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