タイトル |
農業現場で活用可能な小豆ポリフェノールの非破壊測定技術 |
担当機関 |
㈱ニップンエンジニアリング |
研究期間 |
2005~2006 |
研究担当者 |
相馬 ちひろ
奥村 理
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発行年度 |
2007 |
要約 |
近赤外分光装置NIRLab N-200型を用いた小豆ポリフェノール含量および原粒水分の非破壊測定技術は、品種の違いによる影響が小さく、バイアス補正をすることにより産地および栽培年次の異なる試料に対しても適用できる。
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キーワード |
小豆ポリフェノール、原粒水分、非破壊測定、近赤外分光装置
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背景・ねらい |
これまで道立農試においては小豆が有する機能性について明らかにしてきており、今後小豆の消費拡大のためには機能性に着目した流通・販売も視野に入れる必要がある。そこで、既に農業現場に普及している近赤外分光装置を用いて小豆のポリフェノール含量による仕分けの可能性について検討する。また、原粒水分については農協での受け入れ時に測定がされている。そこで同装置を用いて原粒水分の非破壊測定についても検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 道産小豆のポリフェノール含量および原粒水分を近赤外分光装置NIRLab N-200型で測定するための検量線を作成したところ、予測標準誤差(SEP)がポリフェノール含量に関しては39.2mg/100g FW、原粒水分に関しては0.46%といずれも目標SEP(既往の成果よりポリフェノール含量;50.0mg/100g FW以下、原粒水分;1.0%以下に設定)を下回っており(表1)、また、道産主要小豆品種に関しては品種の違いによる影響は認められない(図1、2)。
- ポリフェノール含量、原粒水分ともに産地および栽培年次の違いによる影響は小さいと考えられる(表2)。2007年JA十勝池田町産試料への適合性を評価したところ、SEPはポリフェノール含量に関しては28.6mg/100g FW、原粒水分に関しては0.39%であり、適用可能である (表2)。
- トラック荷台内におけるポリフェノール含量の変動係数は1.82~2.86%であり、市販の袋詰「エリモショウズ」の変動係数を下回っていたため、サンプリング点数は受け入れトラック1台あたり3点程度が適当と考えられる(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 本試験で用いたものと同型装置においては、作成した検量線を移設することにより本技術が利用可能である。
- 本技術は農協施設で受け入れる際に測定することを想定している。
- 検量線はバイアスが生じる場合があるので毎年、当年産の小豆試料を用いてバイアス補正する必要がある。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 課題名:農業現場で活用可能な小豆ポリフェノールの非破壊測定技術(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
機能性
消費拡大
測定技術
品種
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