タイトル |
大型トラクタを用いたアルファルファ品種の耐踏圧性評価 |
担当機関 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
廣井清貞
奥村健治
高田寛之
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発行年度 |
2007 |
要約 |
アルファルファ品種の耐踏圧性は、刈取後4日目から3日間、大型トラクタで毎日2往復踏圧を行い、播種翌年の無処理区に対する処理区の乾物収量比で評価する。耐踏圧性はAmeristand403Tが強、ハルワカバが中、マキワカバが弱である。
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キーワード |
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背景・ねらい |
アルファルファは他草種に比べて農業機械による車輪踏圧に弱く、踏圧損傷による株の衰退や枯死が起こり、裸地化して雑草が侵入するため収量の大幅減や飼料成分の低下が起きる。アルファルファ草地の踏圧損傷については、道立畜試でその軽減策について研究が行われている。しかし、品種間の耐踏圧性の強弱については不明である。そこで、大型トラクタを用いて北海道向け品種の耐踏圧性を評価する。
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成果の内容・特徴 |
- アルファルファ品種の耐踏圧性の指標には、年間乾物収量の無処理区に対する踏圧処理区比を用いる。耐踏圧性の評価に関する試験設計の概要は表1のとおりである。
- 踏圧1日1往復処理では、播種翌年(2年目)には有意な品種間差異が見られるが、3年目と2年間合計においては有意な差はない(表2)。
- 踏圧1日2往復処理区では、2年目、3年目、2年間合計のいずれにも有意な品種間差異が見られる(表2)。2往復処理2年間合計の結果から耐踏圧性を判定すると、米国で育成された耐踏圧性品種Ameristand403Tは他の8品種よりも強く、Attention、ハルワカバおよびケレスがマキワカバとMayaより強い(表2)。
- 2往復処理2年間合計と2往復処理2年目および2往復処理3年目の結果にはそれぞれρ=0.883**およびρ=0.933**の高い相関がある(表3)。一方、2往復処理2年間合計と1往復処理2年目にはρ=0.783*の相関が見られるが、1往復処理3年目との間には有意な関係がない(表3)。
- 以上より、アルファルファの耐踏圧性は2往復処理の2年目の結果から判定が可能であり、この場合もAmeristand403Tが強、ハルワカバは中、マキワカバは弱である。
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成果の活用面・留意点 |
- 今後育成あるいは導入する品種の耐踏圧性の評価に利用できる。
- 条播栽培で特性を評価したものであり、散播または混播には適用されない。これらについては今後の検討課題である。
- トラクタ踏圧による減収の程度は刈取時の生育ステージや圃場条件などにより変動する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
アルファルファ
雑草
播種
品種
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