タイトル |
ピーマンの主要病害虫とこれらに対する生物農薬の適用性 |
担当機関 |
道立花野技セ |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
西脇由恵
橋本直樹
堀田治邦
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発行年度 |
2007 |
要約 |
バチルスズブチリス水和剤はうどんこ病に対して初期防除に導入できる。近紫外線除去フィルムとタイリクヒメハナカメムシ剤を組合わせることでヒラズハナアザミウマの密度を低く抑えられる。
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キーワード |
ピーマン、灰色かび病、うどんこ病、アザミウマ類、アブラムシ類、天敵農薬、微生物農薬
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背景・ねらい |
ハウス長期どりピーマンにおける病害虫の問題点、主要病害虫に対する生物農薬の適用性を明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 灰色かび病による果実発病は収穫初期と収穫終盤に、枝発病は収穫期間を通して常に認められるが、いずれも発生量は少なく収量に影響しない(表1)ことから、通常のハウス栽培条件下では本病に対する薬剤防除の必要性は低い。
- ハウス内が長時間高湿度条件に晒された場合に灰色かび病の発病が高まったことから、本病の多発を防ぐには多湿にならないハウス管理が重要であると考えられる。
- 2005年に道内でピーマンうどんこ病の発生が初確認された。通常初発期は8月で蔓延は9月中下旬と考えられる。
- うどんこ病により黄化・落葉すると、減収する傾向にある(図1)。
- バチルス・ズブチリス水和剤(インプレッション水和剤500倍散布、ボトピカ水和剤2000倍散布)はうどんこ病に対して防除効果が認められたが最終的な黄化・落葉を防ぐことができなかったことから、蔓延期以降の利用は困難で、発病初期の防除に適用できると考えられる(図1)。なお、インプレッション水和剤500倍散布で果実の汚れがあるものの、商品価値への影響は低いと判断し、実用上問題ではないと考えられる。
- 主要害虫は、アザミウマ類とアブラムシ類で、次いでヨトウガ、ハダニ類である。
- アザミウマに対するタイリクヒメハナカメムシ剤(タイリク)は、アザミウマの侵入が多い8月は効果がないが、侵入抑制効果がある近紫外線除去フィルム(UVC)と併用すると、アザミウマを低密度にでき、減化学農薬ができる(図3)。放飼は、発生初期(粘着板に誘殺)に行うと良い。
- アブラムシに対するコレマンアブラバチ剤は、UVCで侵入抑制しタイリクやバンカープラント法を併用した場合、アブラムシは低密度になるが、マミーは少なく、タイリクやバンカープラントの天敵等の影響が考えられ効果は判然としない。
- アザミウマ類に対する微生物農薬のボーベリア・バシアーナ剤の効果は低い。アブラムシ類に対するバーティシリウム・レカニ剤は、湿度条件を満たすことが必要で、本試験では高い効果は得られなかった。
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成果の活用面・留意点 |
- ハウス長期どりピーマンに活用する。
- 生物資材の基本的な取り扱い方についてはメーカー等の情報を参考とする。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「ピーマンの主要病害虫に対する生物農薬の適用性」(指導参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
うどんこ病
害虫
カメムシ
栽培条件
農薬
ピーマン
ヒラズハナアザミウマ
防除
薬剤
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