水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメに対する水面施用粒剤の有効施用時期

タイトル 水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメに対する水面施用粒剤の有効施用時期
担当機関 道立上川農試
研究期間 2006~2007
研究担当者 橋本庸三
齊藤美樹
発行年度 2007
要約
    水面施用粒剤(エチプロール粒剤、クロチアニジン粒剤、ジノテフラン3%粒剤、ジノテフラン1%粒剤)を出穂期~出穂期7日後(エチプロール粒剤のみ出穂期10日前を含む)に1回施用すると、茎葉散布剤の2回散布と同等の防除効果が期待できる。
キーワード
    アカヒゲホソミドリカスミカメ、水面施用粒剤、残効特性、最適施用時期
背景・ねらい
    人体や環境への負荷を低減する水面施用粒剤を活用し、水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメ(以下カメムシと省略)に対する茎葉散布剤使用回数を削減した新たな防除体系を確立するため、水面施用粒剤の残効特性を明らかにし、最適な施用時期を提案する。
成果の内容・特徴
  1. カメムシ放飼試験:延べ5種類の水面施用粒剤を出穂期20日前、出穂期10日前、出穂期および出穂期7日後に施用し、出穂期から7日間隔で出穂期28日後まで4回(4時期)カメムシ成虫を放飼(ポット試験:4頭/ワグネルポット、網枠試験:10頭/イネ10株)して、各施用区の斑点米発生状況から各水面施用剤の残効期間を求める(表1)。
  2. カメムシ放飼試験において、水面施用粒剤は各薬剤とも同様の残効特性を示し、出穂期以前の施用による残効日数が出穂期以降の施用による残効日数より長くなる傾向にある(表1)。出穂期以降は吸水活性が徐々に衰退してくるため、根から吸収される薬量も減少すると考えられる。
  3. 水田試験:延べ5種類の水面施用粒剤を出穂期20日前、出穂期10日前、出穂期および出穂期7日後に水田に施用し、斑点米発生状況から各水面施用粒剤の防除効果を検討する。
    水田試験において、水面施用粒剤の1回施用で高い防除効果を示す施用時期が認められる(表2)。
  4. カメムシ放飼試験および水田試験から、カメムシに対して1回施用で有効な水面施用粒剤:施用時期(施用後残効日数)は、エチプロール粒剤:出穂期10日前(27日間),出穂期(18日間),出穂期7日後(14日間)、クロチアニジン粒剤:出穂期(15日間),出穂期7日後(12日間)、ジノテフラン3%粒剤:出穂期(22日間),出穂期7日後(14日間)、ジノテフラン1%粒剤:出穂期(17日間),出穂期7日後(15日間)である(表1,表2)。
  5. 水面施用粒剤は1回の施用で少なくとも出穂期後第2週目まで残効期間が認められ、茎葉散布剤の2回散布(出穂期および出穂期7日後)と同等の防除効果が期待できるので、 水面施用粒剤を利用することで2回の茎葉散布を省くことができ減農薬が可能になると考えられる(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 本試験の成果はカメムシに対して水面施用粒剤を使用する上での参考とする。
  2. 水面施用粒剤の施用に当たっては湛水状態で均一に行い、施用後7日間は湛水状態を保ち、落水及びかけ流しを行わない。
平成19年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「水稲のアカヒゲホソミドリカスミカメに対する水面施用粒剤の残効特性と施用時期」(指導参考)
図表1 213918-1.jpg
図表2 213918-2.jpg
図表3 213918-3.jpg
カテゴリ 病害虫 カメムシ 水田 水稲 農薬 斑点米 防除 薬剤

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