てんさい搾汁液を原料とするバイオエタノール生産用酵母

タイトル てんさい搾汁液を原料とするバイオエタノール生産用酵母
担当機関 日本甜菜製糖(株)
研究期間 2007~2008
研究担当者 波佐康弘
高桑直也
齋藤勝一
西尾善太
山内宏昭
野田高弘
櫻井博章(日本甜菜製糖(株))
四宮紀之((財)十勝圏振興機構)
大庭潔((財)十勝圏振興機構)
発行年度 2008
要約 てんさい搾汁液を原料に高効率でバイオエタノールの生産が可能な酵母3株は、既存の実用酵母株と同等のエタノール生産能を有し、かつ、エタノール精製時の蒸留阻害要因であるグリセロールの生成量が実用株より少ない。
キーワード バイオエタノール、エタノール発酵用酵母、てんさい、グリセロール
背景・ねらい バイオエタノールの製造効率の向上には、てんさい搾汁液や馬鈴薯澱粉など各々用いる原料に適した発酵菌の開発が必要である。更には、エタノール精製時の蒸留阻害要因であるグリセロールの生成量が少ないなど、製造工程全体の効率向上に繋がる発酵菌を開発する必要がある。そこで、バイオエタノールの製造効率向上に向け、てんさい搾汁液を原料に既存の実用酵母株と同等のエタノール生産能を有し、グリセロールの生成量が実用株より少ない高効率な発酵菌の開発を目指す。
成果の内容・特徴
  1. 北海道十勝地域の植物250検体より分離した152株の酵母から、エタノール生産量が高く、かつ、グリセロール生成量が低いSaccharomyces cerevisiae に属する酵母3株(TB-1~TB-3)を選抜した(表)。
  2. これら3株は、エタノール発酵用酵母の標準株であるNBRC 0216株と比べ、速やかにてんさい搾汁液からエタノールを生産する。また、実用株であるNEY株との比較では、発酵初期のエタノール生産量は若干下回るが、発酵36時間後の最終エタノール生産量は同等である(図1)。
  3. てんさい搾汁液からのエタノール精製時の蒸留阻害要因であるグリセロールの発酵36時間後の生成量は、3株ともバイオエタノール用標準株および実用株に比べ約20%少ない(図2)。
成果の活用面・留意点
  1. TB-1、TB-2、TB-3株は北海道農研保有の菌株であり、農研機構研究試料取扱規程に基づく手続きにより分譲が可能である。
  2. 成果は、実験室規模での評価であるため、今後大規模試験による発酵性評価を行う必要がある。
  3. 3株とも胞子形成能が確認されたため、交雑育種によるエタノール高変換酵母作出の親系統としての活用も期待できる。
図表1 213990-1.jpg
図表2 213990-2.jpg
図表3 213990-3.jpg
カテゴリ 育種 てんさい

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