タイトル |
超音波画像診断による半硬質チーズ内部構造の評価 |
担当機関 |
道立根釧農試 |
研究期間 |
2005~2007 |
研究担当者 |
窪田明日香
高橋雅信
平井綱雄
西村和行
本郷泰久
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発行年度 |
2008 |
要約 |
超音波画像診断装置により、非破壊でチーズ内部のガスホールやクラック等の観察が可能である。熟成中チーズの経時的観察に用いることで、空隙の形成過程が確認でき、熟成途中でのチーズ内空隙の評価とその原因究明に利用できる
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キーワード |
超音波画像、チーズ、非破壊検査、ガスホール、クラック
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背景・ねらい |
チーズ内部の空隙分布等は、熟成期間における品質指標の一つとなる。しかし、熟成途中での非破壊検査法は打音法などに限られており、多くの経験や知識が必要となる。そこで、より簡便な非破壊検査法として、超音波画像診断装置(Pro Sound SSD-4000、リニアT型7.5MHzプローブ75、測定条件:波長5MHz・コントラスト6・ゲイン75)によるチーズ内部構造の非破壊的評価法とその有効性について検討する。
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成果の内容・特徴 |
- ガス生成を伴う異常発酵チーズでは、多様な形のメカニカルホール、クラック等が形成されチーズ内部に不均一に分布している(図1)。
- 超音波画像により、表面の乾燥のみにとどまっているチーズでは、ガスホール、メカニカルホールおよび超音波の入射方向と直交するクラック(亀裂)が識別できる(図2B、C、D)。しかし、入射方向と平行するクラックはメカニカルホールとの判別が困難である(図2E)。また、リンド(表皮)が形成されたチーズにおいては、本法による内部観察は難しい(図2F)。
- チーズを包装する真空包装用フィルム(厚さ:12~80μm)は、超音波画像の上部にフィルムに起因する板状の水平反射像を生じるが、内部構造に起因する反射像の観察に影響を及ぼさない。
- 本法で得られる超音波画像より、チーズ表面からガスホールの最上部までの距離がr2=0.96(図3)、直径がr2=0.80で推定できる。
- 超音波画像による熟成中チーズの経時的観察により、種々の空隙形成過程が確認できる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 熟成型チーズ製造に関し、表面の乾燥が弱く超音波の侵入が可能な条件では、チーズ内部空隙の非破壊評価手段として利用できる。
- 超音波画像診断装置を用いて真空包装されたチーズを観察する場合は、チーズと真空包装フィルムを密着させることが重要である。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分 「超音波画像診断による半硬質チーズ内部構造の評価」(研究参考)
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
乾燥
評価法
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