渡島中部地域における高うね栽培によるニンジン乾腐病の軽減効果策

タイトル 渡島中部地域における高うね栽培によるニンジン乾腐病の軽減効果策
担当機関 道立道南農試
研究期間 2006~2008
研究担当者 川岸康司
安岡眞二
細淵幸雄
野津あゆみ
池田亮司
五十嵐俊成
高田一直
北畠国昭(渡島農改)
高田伸子(渡島農改)
結城津子(渡島農改)
西村景(渡島農改)
発行年度 2008
要約 高うね処理を行うことにより、うね(深さ0~20cm)内の土壌水分が低下し、ニンジン乾腐病に対し被害軽減効果が認められる。罹病による被害割合が4~5%の経営では、慣行より10a当たり8,000~10,000円程度の所得増加が見込まれる。
キーワード 高うね、土壌水分、ニンジン乾腐病、被害軽減効果、実証、経済試算
背景・ねらい
    渡島中部地域ではニンジン乾腐病が多発して安定生産上の大きな阻害要因となっている。一方、2001年には圃場の排水性改善による発病軽減の可能性が示唆され、指導参考事項となっている。しかし、その後も同地域では本病の発生が大きな問題となっていることから、早急に軽減効果の実証を図る必要がある。本試験では高うね栽培による排水改善効果とそれに伴うニンジン乾腐病の被害軽減について現地実証を行うとともに、その経済効果を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 高うね処理により、うね(深さ0~20cm)内の体積水分率が低下する(図1)。3か年の合計14試験例のうち、慣行の発病度が10以上の6例ではいずれも高うね処理によるニンジン乾腐病の軽減効果が認められる(図2)。
  2. ニンジン乾腐病に対する軽減効果が認められる圃場の規格内率は、高うね区が慣行区より4~22%高くなっている(表1)。
  3. 収穫時における高うね処理区の菌密度(0~20㎝)は慣行区と差が認められず、乾腐病の発生軽減は菌密度の低下によるものではない(図3)。
  4. 高うね栽培導入による経費試算では、規格内率が4%向上した場合、慣行より10a当たり8,000~10,000円程度の所得増加が見込まれ、地域の平均面積(1.5ha)による減価償却費を考慮しても6,500円~8,500円程度の向上効果が見込める(表2)。そのため、乾腐病によるロスが4~5%を超えるような経営では高うね導入の効果が高い。
成果の活用面・留意点
  1. ニンジン乾腐病軽減のための高うね栽培導入の際の資料とする。
  2. トンネルマルチ栽培で高うねを導入する場合、発芽時の土壌乾燥が懸念されることから、適切な水分条件で高うね処理を行うとともに、発芽前後のトンネル内の高温、乾燥が予想される時は適切なトンネル管理を行う。
平成20年度北海道農業試験会議(成績会議)における課題名および区分
「渡島中部地域における高うね栽培によるニンジン乾腐病被害軽減効果の実証」(指導参考)
図表1 214033-1.jpg
図表2 214033-2.jpg
図表3 214033-3.jpg
図表4 214033-4.jpg
図表5 214033-5.jpg
カテゴリ 乾燥 経営管理 にんじん 排水性

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