タイトル |
高アミロース・超多収性の水稲新品種候補系統「北陸142号」 |
担当機関 |
北陸農業試験場 |
研究期間 |
1995~1995 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
水稲「北陸142号」はIR2061-214-3/密陽21号の組合せから育成された高アミロースの超多収インド型系統である。「日本晴」より出穂が早い晩生種で、穂発芽難、いもち病、白葉枯病、ツマグロヨコバイに抵抗性が強い。用途としてはアラブ民族料理のクスクス、味噌等の原料に適する。
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背景・ねらい |
米の潜在的な需要・供給のアンバランスは今後も拡大する傾向にあり、需給の均衡化を目指す必要がある。そこで、米の形質を多様化して用途の拡大を図るため、各種の耐性・抵抗性を持つ高アミロースの超多収系統を育成した。
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成果の内容・特徴 |
- 「北陸142号」は昭和55年に北陸農業試験場において「IR2061-214-3」を母とし、「密陽21号」を父として交配し、その後代から育成されたインド型系統である。
- 出穂期及び成熟期は「日本晴」よりやや早い「晩生の早」で、草型は短稈、極穂重型で、収量は極多である。
- 耐倒伏性が強く、穂発芽性は極難で、いもち病の抵抗性遺伝子は不明であるが圃場抵抗性は強く、白葉枯病にはXa-11及びその外の抵抗性遺伝子を持つと推定されるが圃場抵抗性も強く、ツマグロヨコバイには耐虫性を持つ。
- 白米のアミロース含量は「日本晴」の約1.5倍と高く、炊飯米は付着性及び粘りがほとんどなく、砕米アルファ化米を製造し易い。
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成果の活用面・留意点 |
- 栽培適地は北陸南部、関東、東海、近畿、中国、四国、九州北部の平坦地域に適する。
- 用途としては高アミロースの特性を生かしたアラブ民族料理のクスクス及びそのインスタント製品(砕米アルファ化米)、味噌等の原料に適する。
- 幼苗期及び障害型耐冷性が弱いので、育苗時、移植後は育苗資材、水管理等により保温に努め、また冷涼地帯での作付は避ける。
- 穂発芽性が“極難”なので、播種前に十分に休眠覚醒を行う。
(表1)
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図表1 |
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カテゴリ |
育苗
いもち病
新品種
水稲
多収性
抵抗性
抵抗性遺伝子
播種
水管理
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