タイトル |
中島菜の機能性物質を利用した特産品 |
担当機関 |
石川県農業総合研究センター |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
中島菜に含まれている機能性成分は、アンジオテンシンI変換酵素(ACE)を阻害し、血圧調整作用を有する。この中島菜を用いたせんべい、生麩、麩饅頭の商品化を図る。
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背景・ねらい |
中島菜は、辛味を生かし漬物に利用されている中島町特産の野菜であるが、近年生産量が減少している。産地から中島菜に新たな付加価値を付け特産品として消費を拡大する要望を受け、当センターの三輪らがこの中島菜の機能性成分の検索を行ったところ、水溶性で血圧調整作用のあるACE阻害能が他の野菜に比べ多いことが分かった。そこで、この機能性成分の加工適性、効果等の検討を行い、これらの特性を生かした商品を食品メーカーと共同で開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 中島菜の血圧調整成分の効果は、餌に中島菜を添加したネズミと無添加のネズミでは10週齢以降から血圧に差があらわれ、中島菜の血圧調整作用は動物試験において効果が認められる(図1)。
- 中島菜の機能性成分の加工適性(耐熱性)をパン製造で検討したところ、中島菜の添加量が増加するにしたがってACE阻害度は増加する(図2)。このことから、加熱加工を行っても中島菜のACE阻害能は残存する。
- 加工原料確保のため中島菜の栽培条件(時期・場所)とACE阻害能との関係を検討した結果、中島菜のACE阻害能は、栽培条件にかかわらずその活性が保持される(図3)。
- 商品化された中島菜入りせんべい、生麩、麩饅頭は、中島菜の添加割合が増加するにしたがってACE阻害度は高くなる傾向にあり、機能性物質が残存する(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 中島菜は機能性食品および原料として有効利用することができる。
- 中島菜の食品への添加量は2~5%程度が適当である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
加工
加工適性
機能性
機能性成分
栽培条件
機能性食品
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