タイトル |
斑点米の発生を防除する薬剤散布時期 |
担当機関 |
福井県農業試験場 |
研究期間 |
2000~2001 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
早生品種において、カメムシ類による斑点米発生を防止するための薬剤散布適期はカスミカメムシ類では穂揃期、ホソハリカメムシ、トゲシラホシカメムシなどでは糊熟初期以降である。
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背景・ねらい |
米の品質検査において等級格落ちの理由として、斑点米の着色粒であることが多い。 また、近年、カスミカメムシ類の発生が増加傾向にあり、それに伴い斑点米の発生も多くなっている。 カメムシ類による斑点米発生を防止するため、薬剤防除の適期を早生品種で検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 圃場A(ハナエチゼン・出穂期7/15)はイタリアンライグラス圃場に隣接し、発生したカメムシ類はアカヒゲホソミドリカスミカメ、アカスジカスミカメが主で、その他ホソハリ カメムシ、トゲシラホシカメムシが混発していた。イタリアンライグラスおよび水田でのカスミカメムシ類の発生消長は7月中、下旬に第2世代の発生最盛期となり、これは 穂揃期から乳熟期に当たった(表1,2)。
圃場B(ハナエチゼン・出穂期7/19)は、畦畔がよく除草されており、また、すくいとり調査(表3)。および見取り調査から発生したカメムシ類は7月下旬はホソハリカメムシが 優占で、次いでトゲシラホシカメムシ、アカスジカスミカメの発生がみられた。8月に入るとクモヘリカメムシがみられた。
- 斑点米の被害の様相により加害カメムシ種を類別した。カスミカメムシ類による精玄米中の斑点米は、7月中旬末の穂揃期の薬剤散布が効果が高い(圃場A,図1)。
- ホソハリカメムシやトゲシラホシカメムシなどによる精玄米中の斑点米は、8月初めの糊熟初期以降に薬剤散布を行うと効果が高い。(圃場A,B。図1,2)。
- カスミカメムシ類、ホソハリカメムシ、トゲシラホシカメムシ、クモヘリカメムシが混発している圃場では、穂揃期と糊熟初期を含め複数回の薬剤散布が必要である。
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成果の活用面・留意点 |
- ホソハリカメムシやトゲシラホシカメムシなどの従来のカメムシ類とカスミカメムシ類の発生がみられる圃場に利用できる。
- カスミカメムシ類の発生が少ない圃場では糊熟初期以降を重点に薬剤散布を行うとよい。
- カスミカメムシ類はイタリアンライグラス圃場で多発生するので、その圃場に隣接する圃場では7月中旬末の穂揃期の薬剤散布を行う。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
病害虫
アカスジカスミカメ
イタリアンライグラス
カメムシ
除草
水田
斑点米
品種
防除
薬剤
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