タイトル |
アマニ油およびビタミンE添加による機能性豚肉生産技術 |
担当機関 |
石川県畜産総合センタ- |
研究期間 |
1997~2000 |
研究担当者 |
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発行年度 |
2000 |
要約 |
肥育後期飼料にα-リレノン酸(n-3系列脂肪酸)を多く含むアマニ油1.5%と豚肉の脂質酸化を抑制するためにビタミンEを100IU/kg添加すると、豚の発育性および産肉成績への影響がなく、脂肪の融点を下げずに、日本人の栄養所要量において目安とされる脂肪酸のn-6/n-3比を4程度に下げることができる。
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背景・ねらい |
摂取多価不飽和脂肪酸のアンバランスが生活習慣病の原因の一つとなることから、豚肉本来の栄養価を保持しながら、多価不飽和脂肪酸組成を改善した機能性豚肉を生産することで、多様化している消費者ニ-ズの一つである健康志向の高まりに応え、生産者の利益につなげる。
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成果の内容・特徴 |
三元交雑種(LWD)の雌豚を用い、1区 アマニ油1.5%添加、2区 アマニ油1.5%+ビタミンE100IU/kg添加、3区 アマニ油1.5%+ビタミンE200IU/kg添加、4区 無添加とし、各区5頭ずつ配置、8週間給与した。
- 発育成績では、1日平均増体重・飼料要求率に各区間で有意差は認められない(表1)。
- 産肉成績では、背脂肪厚・枝肉歩留等各調査項目に各区間で有意差は認められない(表2)。
- バラ肉の脂肪酸組成のうち、α-リノレン酸含有率は、1区・2区・3区が4区に対して有意に高い割合である(P<0.01)。また多価不飽和脂肪酸のn-6系列脂肪酸とn-3系列脂肪酸のバランスであるn-6/n-3比について、1区・2区・3区が4区に比べ有意に低く(P<0.01)、日本人の栄養所要量において目安とされる4以下である(表3,4)。
- ロース芯の脂肪酸組成は、バラ肉と同様α-リレノン酸含有率が4区に対し、1区・2区・3区で有意に高く(P<0.01)、n-6/n-3比が3.7~4.8と有意に低い値を示す(P<0.01)(表5)。
- 背脂肪部を用いた脂質の酸化度(TBA価)を測定した結果、アマニ油のみ添加した1区に対し、ビタミンEを添加した2区(100IU/kg)・3区(200IU/kg)で 脂質の酸化を抑制した。 なお、ビタミンEの添加水準を変えた2区と3区の間では、脂質の酸化抑制効果に有意な差は認められない(表6)。
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成果の活用面・留意点 |
- 肥育後期(出荷前8週)飼料にアマニ油1.5%とビタミンEを100IU/kg添加することで、豚の発育性および産肉成績に影響を与えず、脂肪の融点を下げずに、脂肪酸のn-6/n-3比を4程度に下げることができ、付加価値の高い豚肉の生産が可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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図表6 |
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カテゴリ |
機能性
出荷調整
ばら
豚
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