パインアップル畑における赤黄色土侵食の発生実態と軽減対策

タイトル パインアップル畑における赤黄色土侵食の発生実態と軽減対策
担当機関 国際農林水産業研究センター
研究期間 1991~1995
研究担当者 菅原和夫
大脇良成
坂西研二(農環研)
長谷川功(現在九州農試)
小林 真
中野 寛
岩間秀矩(農環研)
発行年度 1995
要約 パインアップル畑では、作業道路に沿って斜面下方に向かって土壌浸食が起きていることを明らかにした。その軽減対策として、耕起直後より畑面にピジョンピーを、斜面の下端にウィーピング・ラブグラスを栽培したのち、ピジョンピーを刈り倒して、パインアップルを不耕起定植する方法を組み立てた。
背景・ねらい 近年、沖縄本島を始めとする南西諸島の沿岸海域において、大量の赤土が海洋に流出し、サンゴ礁の生態系に重大な影響を及ぼしている。とくに、パインアップルは初期生長が遅いために、パインアップル畑は激しい侵食を受けやすく、赤土流出の原因になっている。ここでは、
  1. 光波式測量機械を用いてパインアップル畑における土壌侵食の発生実態を把握するとともに、
  2. 斜面長11m・斜面角3度の傾斜枠を用いて軽減対策を組み立てた。
成果の内容・特徴
  1. 土壌浸食の発生実態:
    光波式測量機械を用いて、パインアップル定植後1年間における土壌浸食の発生実態を調べた結果、特に圃場内の作業道路に沿って斜面下方に向かって浸食が進んでいることを明らかにした(図1)。
  2. 斜面下端の食被の効果:
    斜面長11m・傾斜角3度の斜面下端幅1mにウィーピング・ラブグラスを栽培した区におけるるパインアップル定植後1年間の土壌流亡量(0.07kgm-2)は、対照区の土壌流亡量(7.48kgm-2)の約1/100以下であった(表1)。
  3. 不耕起栽培の効果:
    斜面長11m・傾斜角3度の斜面に5月上旬から8月下旬までピジョンピーを栽培したのち刈り倒し、9月中旬にパインアップルを不耕起定植した区における定植8ヶ月間の土壌流亡量(0.07kgm-2)は、対照区の土壌流亡量(1.01kgm-2)の約1/14以下であった(表2)。
  4. 土壌浸食の軽減対策:
    4月に耕起した斜面の下端にウィーピング・ラブグラスを、畑面にピジョンピーを栽培したのち、8月にピジョンピーを刈り倒してパインアップルを不耕起定植する方法を組み立てた。
成果の活用面・留意点
  1. 慣行の施肥により不耕起栽培したパインアップルの初期成長は対照区に比べて若干劣るが、収穫期までにはほぼ回復した。
  2. 不耕起栽培で大きな問題となる雑草を防除するために、パインアップルの定植1ヶ月前にグルホシネート剤を、定植1ヶ月後及び2ヶ月後にDCMU剤を散布するとよい。
図表1 214557-1.gif
図表2 214557-2.gif
図表3 214557-3.gif
カテゴリ 病害虫 栽培技術 雑草 施肥 不耕起栽培 防除

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