タイ土着食用植物の抗変異原性と活性成分〔研究〕

タイトル タイ土着食用植物の抗変異原性と活性成分〔研究〕
担当機関 (独)国際農林水産業研究センター
研究期間 2001~2005
研究担当者 Gassinee Trakoontivakorn(カセサート大学
Molay Kumar Roy(筑波フェロー
Najeeb S. Alzoreky(サナア大学
Vipaporn Na Thalang
イエメン)
タイ)
バングラデシュ)
亀山眞由美
吉田充(食総研)
小野裕嗣
中原和彦
発行年度 2002
要約 タイ土着食用植物ミクロメラム・ミヌタム、モクコチョウ、ハマネナシカズラ、インドセンダン及びリステア・ペティオラータは強い抗変異原性を示す。ミクロメラム及びモクコチョウに含まれる抗変異原活性成分はそれぞれ,マハニン及びバイカレインである。両物質は他に抗菌活性、がん細胞増殖抑制効果等を示す。国際農林水産業研究センター・食料利用部
背景・ねらい 変異原物質の働きを抑えることにより発がんのリスクを低減できるとの考えから,抗変異原物質を含む食品素材に大きな関心が寄せられている。タイでは数百種類以上の土着の山野草を含む多様な植物が食用・薬用等に利用されており,これまでの研究から,強い抗変異原物質を含むものが存在する可能性が高い。そこで,タイの土着食用植物の中から抗変異原性の強いものを見出して,成分を同定し,利活用の拡大を図ることをねらう。

成果の内容・特徴
  1. Micromelum
    minutum,ミカン科),モクコチョウ(Cuscuta
    chinensis,ヒルガオ科),インドセンダン(Azadirachta
    indica,センダン科)及びリステア・ペティオラータ(Litsea
    petiolata,クスノキ科)の5種の食用植物のメタノール抽出物が特に強い抗変異原活性(エームス試験法)を示す(図1)。
  2. ミクロメラム・ミヌタム(新葉)に含まれる主要な抗変異原成分はカルバゾールアルカロイドの一種であるマハニンである(図2)。マハニンは,インド周辺諸国でカレー料理に用いられているスパイスの1つカレーリーフから見つかっている他は,あまり知られていない。
  3. マハニンは,抗変異原活性以外にも多様な生理機能性を示す(表1)。
  4. モクコチョウ(果実)にまれる主要な抗変異原成分はフラボンの一種であるバイカレインである(図3)。バカレインは他に抗菌活性,がん細胞増殖抑制活性を示す。

成果の活用面・留意点
  1. マハニン,バイカレインともに水に溶けにくい物質であるが,現地では茹でたり,あるいは摺りおろしたりするなど野菜自体を食べているため摂取可能である。
  2. 人体への吸収,代謝などを検討し,実際に生体で機能性が発現するか否かを確かめる必要がある。

カテゴリ 機能性 くこ

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