酸アミド系除草剤の水稲に対する薬害の発生しやすい土壌

タイトル 酸アミド系除草剤の水稲に対する薬害の発生しやすい土壌
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1995~1995
研究担当者
発行年度 1995
要約 仮比重 0.7以下の軽い多湿黒ボク土は代かき後の土壌の沈降が遅く、落ち着きが悪いため、酸アミド系除草剤を移植後の早い時期に処理した場合、除草剤が水稲の茎葉基部あるいは根に接触しやすく、薬害が発生しやすい。
背景・ねらい 水田除草剤の体系是正剤(一発処理剤)の多くに含まれている酸アミド系除草剤は、殺草効果は高いが、栃木県では移植後3~5日の早い処理で水稲に対する生育抑制(薬害)が発生しやすい地域があり、適用地域の判定が困難になっている。そこで、こうした除草剤の薬害の発生しやすい土壌の種類を明確化し、新除草剤普及に資するため、同系除草剤の水稲に対する薬害と土壌との関係について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 酸アミド系除草剤の水稲に対する薬害は、分げつ抑制による茎数の減少、初期生育における乾物重の増加抑制という形で現れ(図1)、甚だしい場合は移植株が枯死する。
  2. 土壌群別の除草剤の水稲に対する生育抑制程度は、多湿黒ボク土で大きく、特に猪倉統の一部及び西の原統で甚だしい。次いで灰色低地土で大きく、金田統の一部及び瀬尾統で抑制程度が大きかった。全体的にグライ土では生育抑制が発生しにくい傾向で、次いで黒ボクグライ土での抑制程度が小さかった。(図1・図2,一部データ略)
  3. 各土壌の土壌環境基礎調査による各項目と除草剤の水稲に対する薬害程度との関係を検討すると、土壌の仮比重と乾物重の対無処理区比率の関係で、仮比重が 0.7以下の多湿黒ボク土で除草剤の薬害を受ける頻度が高い傾向であった。(図3)
  4. 多湿黒ボク土において、除草剤の薬害が発生しやすい土壌は発生しにくい土壌に比べ風乾土の容積が多く、加水振とう直後の容積膨張程度が大きい。その後の土壌の沈降速度は緩慢であり、加水振とう1時間以降に沈降する容積が大きい土壌ほど、除草剤の水稲に対する薬害程度が大きくなる傾向であった。(図4・図5)
  5. 以上の結果より、仮比重 0.7以下の軽い多湿黒ボク土は代かき後の土壌の沈降が遅く、落ち着きが悪い。そのため、酸アミド系除草剤を移植後の早い時期に処理した場合、除草剤が土壌中を水中移動して水稲の茎葉基部あるいは根に接触しやすく、水稲に対して薬害が発生しやすいものと推定された。このような土壌で酸アミド系除草剤を使用する場合、処理時期は使用基準内の遅い時期(移植後5日以降)で使用する。(図6)
成果の活用面・留意点 仮比重の重い灰色低地土も薬害が発生しやすい傾向があるが、これについては今後検討する予定である。
図表1 214767-1.gif
図表2 214767-2.gif
図表3 214767-3.gif
図表4 214767-4.gif
図表5 214767-5.gif
図表6 214767-6.gif
カテゴリ 病害虫 除草剤 水田 水稲 土壌環境

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