表層代かき同時移植栽培における好適耕起時期と施肥法

タイトル 表層代かき同時移植栽培における好適耕起時期と施肥法
担当機関 千葉県農業試験場
研究期間 1995~1996
研究担当者
発行年度 1995
要約 水稲の表層代かき同時移植栽培では、ほ場の耕起時期が早いと移植時の雑草が多くなったり土壌が硬くなり、移植精度が低下するので、3月中旬以降に耕起する。また、地力窒素発現量が少ないので、コシヒカリ栽培では、慣行の側条施肥よりも基肥窒素量を1.0kg/10a程度増施する必要がある。
背景・ねらい 稲作における施肥・代かき作業は春先に集中しており、規模拡大を制約する要因となっている。
また、複合経営農家では、他部門と労働力の競合を生じている。そこで、慣行移植栽培の代かき作業を省略できる表層代かき同時移植栽培を確立するため、温暖地の早期栽培における雑草の防除法と基肥窒素施用量について中粗粒強グライ土(日減水深10mm)の水田で検討した。
なお、移植機は三菱農機製のハロー田植機を用いた。
成果の内容・特徴
  1. 1,2月耕起では移植までにスズメノテッポウ等の雑草の発生が多く、表層だけの代かきでは雑草の埋没が不十分となるので、早くても、耕起は3月中旬以降がよい(表1)。
  2. 1,2月耕起では、土壌の硬化により、移植時の下げ振り沈下深や苗の植付け深が慣行に比べて浅くなる。正常植率は、耕起が3月中旬以降の方が高くなる(表1)。
  3. 3月中旬耕起では、慣行区並の穂数、収量となるが。1,2月耕起では、移植後に再生したスズメノテッポウ等の雑草により生育が抑制される(表2)。
  4. 表層代かき同時移植栽培では、土壌の還元化と攪拌効果によって発現する無機態窒素が少ないので、慣行並の側条施肥窒素量(2.5kg/10a)では分げつの発生が少なく、穂数、籾数は少なくなる(表3)。
  5. 表層代かき同時移植によるコシヒカリ栽培では、側条施肥による基肥窒素量を、慣行2.5kg/10aに対して1.0kg/10a増施する(表3)。
成果の活用面・留意点
  1. 得られた成果は、温暖地における4月下旬稚苗移植の早期栽培に適用できる。
  2. 耕起の整地精度が低いと、均平ムラを生じ、土壌処理剤の効果が不十分となる。
図表1 214775-1.gif
図表2 214775-2.gif
図表3 214775-3.gif
カテゴリ 肥料 病害虫 規模拡大 経営管理 雑草 水田 水稲 施肥 土壌処理 防除

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