| タイトル |
近赤外分光法による不完全甘柿「筆柿」の渋果判別 |
| 担当機関 |
愛知県農業総合試験場 |
| 研究期間 |
1995~1996 |
| 研究担当者 |
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| 発行年度 |
1995 |
| 要約 |
現在手作業で行っている不完全甘柿「筆柿」の渋果判別作業を機械化するため、近赤外分光法の適用を検討したところ、透過光方式のスペクトルに補正を加えることで精度良く測定できた。
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| 背景・ねらい |
愛知県西三河地方特産の筆柿は、受精が不十分な時に渋が残る不完全甘柿であり、甘果と渋果を外観から確実に判別することは難しい。現在、判別作業は可視光を透過させてその透過程度を肉眼で見ることによって行っている。しかしこの作業は、1個の果実の判別に数秒を要し、出荷盛期には作業が深夜に及ぶ。そこで、判別作業を機械化し労力軽減を図るための測定方法として、近赤外分光法の可能性を検討した。
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| 成果の内容・特徴 |
- 測光方式として反射光と透過光があるが、不完全甘柿の特性として渋が部分的に残る場合が多いため、果実内部の情報を全体的に得られる透過光方式が適していた。
- 今回測定に用いた機械は、FANTEC(果実非破壊品質研究所)の試験機で、果頂部を下に果実を縦に置いて周囲全体から光をあて、果実内を透過した光を果頂部の下の検出器で測定する方式をとった。
- 測定に用いた波長範囲は640nmから1070nmであり、720nm付近と820nm付近に透過率の山が、680nm付近と980nm付近に谷(吸収)が認められた(図1)。このスペクトルの720nm付近の透過率で甘果、渋果それぞれの誤判別率が最小になるよう基準を定めても、それぞれ12%程度誤判別があった。
- 判別精度の劣る理由を検討したところ、果実の大きさによるベースラインのシフトが原因の一つと考えられた。そこで、ベースラインを揃える意味で、水による吸収のみで内容成分の情報が入っていないとみなされる980nmを含む940nm付近から1070nmまでをベースにMSC(MultiplicativeScatterCorrection)を行い(図2)、透過率0.34を基準として判別したところ、誤判別率は3%になった(図3)。なお現在の手選別の精度は、図3に見られるとおり11%の誤判別があった。
- 判別に用いるスペクトルは、透過率の方が吸光度よりもよく、MSCはAdditive(加法平均)が最も精度のよい結果をもたらした。
- 主成分分析等も検討したが、これまでのところ720nm付近の透過率で判別するのが最もよい結果となっている。
注:MSCはもともと光の散乱やセルの光路長の影響を処理する手法として考えられたが、類似の影響を処理するのによく用いられている。MSCには三通りあり、スペクトルの比例的変化の補正と平行移動の補正及びその組み合わせがある。 今回のadditive(offset)補正の式は、Mnew(i,k)=M(i,k)-A(i)であり、ベースから算出されるA(i)を用いてスペクトル全体を補正する。
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| 成果の活用面・留意点 |
「筆柿」と同じく不完全甘柿である「西村早生」については別途確認する必要がある。
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| 図表1 |
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| 図表2 |
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| 図表3 |
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| カテゴリ |
機械化
出荷調整
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