泌乳初期の給与飼料飼料における乾燥ビール粕の粗飼料繊維代替効果

タイトル 泌乳初期の給与飼料飼料における乾燥ビール粕の粗飼料繊維代替効果
担当機関 群馬県畜産試験場
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 泌乳初期に給与する混合飼料中の中性デタージェント繊維(NDF)水準を36%に設定して、チモシー乾草を乾燥ビール粕で代替して粗飼料繊維効果を検討した。その結果、繊維が充足された条件下では乾物摂取量、乳量、乳脂率には大きな差がなく、乳蛋白質が増加し、ビール粕(乾)10%代替が可能である。
背景・ねらい 泌乳初期に給与する飼料中の繊維(NDF)水準は、これまでの試験成績から乾物中35%が最適水準であることを報告してきた。
しかしながら、飼料基盤に制約の大きい地域では、製造粕類・油粕類や糟糠類等から飼料が構成されていることが多く、このような場合は、粗飼料因子機能の低下による乳成分の低下が懸念される。
そこで、乾草をビール粕で代替して粗飼料繊維割合を変化させて、乳量および乳成分に及ぼす影響を検討した。
成果の内容・特徴 飼料乾物中のNDF水準を36%とし、チモシー乾草とビール粕の配合割合を変化させることにより、全NDF中の粗飼料繊維割合を 55%(F55区)、45%(F45区)および35%(F35区)に調整した3種類の泌乳前期用混合飼料を調製した。(表1)
乳牛66頭を供試して、加水混合した試験飼料(TMR)を自由採食させ、分娩後15週間の飼養試験を実施した。
  1. 15週間の平均値は、乾物摂取量、乳量に差がみられなかった。(表2)
  2. 乳成分のうち乳脂率とSNF率に差は認められなかったが乳蛋白質率は、ビール粕10%給与(F35区)が他の2区より高かった。(P&st;0.05)
    また、分娩後の推移においてもF35の乳蛋白質率が6~11週次にかけて高く推移した。(図2)
  3. ルーメン液のpHおよび酢酸/プロピオン酸比の平均値に差はみられなかった。
  4. CNCPS(米国コーネル大学開発の飼料計算ソフト)で有効NDF(effectiveNDF)の充足率を計算したところ、F55、F45区、F35区それぞれ132%、121%、107%となった。
    NDF給与水準が36%で、咀しゃく時間(CT)に差がみられない条件下では、飼料全NDF中の粗飼料繊維水準が55%から45%、35%と減少しても乳脂率の大きな低下はみられず、ビール粕を乾草に代替して給与することにより乳蛋白質率の増加が認められた。
成果の活用面・留意点
  1. 食品製造副産物としての乾燥ビール粕は、配合飼料や混合飼料(TMR)の原料として有効利用できる。
  2. ビール粕(乾)は、製造業者、生産時期により成分変動が大きい点に注意を要する。
  3. ビール粕(乾)の咀嚼時間は、乾物摂取1kg当たり30分程度であり、CTの短い大豆皮やフスマを利用する場合は、安全率を見込んで粗飼料繊維割合45%以上を推奨する。

図表1 215084-1.gif
図表2 215084-2.gif
図表3 215084-3.gif
図表4 215084-4.gif
カテゴリ 乾燥 大豆 乳牛

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