タイトル |
ポリエチレンフィルムと防カビ剤の利用によるぶどう「巨峰」果実の簡易な貯蔵法 |
担当機関 |
三重県農業技術センター |
研究期間 |
1996~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1996 |
要約 |
ぶどう「巨峰」果実を個装せずに、2.5㎏単位に厚さ0.06㎜のポリエチレンフィルムで防カビ剤とともに密封し、3℃で貯蔵することにより60日間程度の鮮度を保持できる。
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背景・ねらい |
ぶどうの主要品種「巨峰」は、三重県における露地栽培では収穫が9月上中旬に集中する。施設化による前進栽培も進みつつあるが、出荷時期を遅らせたいとの要望もある。「巨峰」の貯蔵法に関しては(1)果実を一つずつ個装する、(2)鮮度保持剤を使用する、(3)温度は-2℃等の条件が良好であると試験研究例があるが労力、冷蔵コストの点から個々の農家でできる、より簡易な貯蔵法の開発が望まれている。
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成果の内容・特徴 |
- 露地栽培「巨峰」の果実を以下の方法で貯蔵することにより、60日間程度小売り可能な鮮度を保つことができる。(図1)
- 収穫期初期の果実を用いる。
- 収穫後、5℃で1日間予冷する。
- 2.5kg分の果実を防カビ剤(二酸化イオウを主成分とする市販の品)とともに、厚さ0.06mm、口幅70cm、深さ75cmのポリエチレンフィルムで密封する。
- 冷蔵庫温度を3℃とする。
- 貯蔵中の穂軸の変色には、フィルムの厚さ、防カビ剤の影響はない。(図2)
- 貯蔵中の果房のカビの発生は、フィルムの厚さに関係なく、防カビ剤を入れることにより抑制される。(図3)
- フィルム内の酸素、二酸化炭素およびエチレンの濃度はフィルムの厚さによって差が見られる。(図4)
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成果の活用面・留意点 |
- 本法を用いることにより、出荷時期の調整が可能となる。
- 出庫後の品質低下が早いので、普及に移すためには出庫後の鮮度を保持する方法を工夫する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
コスト
出荷調整
品種
ぶどう
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