中山間地帯における水稲湛水直播栽培の産業用無人ヘリコプタを用いた栽培体系

タイトル 中山間地帯における水稲湛水直播栽培の産業用無人ヘリコプタを用いた栽培体系
担当機関 岐阜県中山間地農業試験場
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 中山間地の大規模農家、営農集団の稲作経営規模拡大を支援するため、播種から病害虫防除までを産業用無人ヘリコプタで実施する直播栽培体系を組み立てた。
背景・ねらい 中山間地帯では水田の区画やまとまりが小さいこと、農住混在であること等から、大面積のまとまりを要件とする有人ヘリコプタによる稲作は馴染まない。そこで、中山間地帯向きの小回りのきく産業用無人ヘリコプタを用いた直播栽培体系を組み立てる。
成果の内容・特徴
  1. 直播栽培体系の概要
    1)品種は「キヌヒカリ」とし、播種期は移植栽培の「コシヒカリ」と収穫期を重ねないため5月3半旬以降とする。
    2)播種もみは定法によりカルパーコーティングし播種する。播種後2週間は土壌面が露出しない湛水状態を保つ。この組合せにより、出芽・苗立ちを安定させるとともに、ハト、スズメによる播種もみの食害を回避する。
    3)産業用無人ヘリコプタによる播種は重複2回播きとする。播種量は、安定した収量を得るのに必要な苗立ち数である最低40本/㎡を確保するため、乾もみで3.5~4kg/10aを標準とする。
    4)産業用無人ヘリコプタの積載能力は約10kg(YAMAHA R50)と少ないため、散布量の多い施肥は地上での作業対応となる。施肥法は、被覆尿素(LPSS100)と速効性肥料を混合した肥(窒素量10kg/10a、被覆尿素からの窒素60%)を用いた1回施肥とする。
  2. 産業用無人ヘリコプタによる直播栽培の経済性
    これまでの移植栽培体系では、育苗管理及び田植え作業に9.3時間/haを要したが、産業用無人ヘリコプタによる直播栽培とすると、コーティング及び播種作業に要する時間は3.1時間/haとなり、省力効果は大きい。なお、直播栽培とすることで生産コストは低減するものの、直播栽培に伴う収量の減少程度によっては、面積当たりの利益が減少する場合もある。
成果の活用面・留意点 産業用無人ヘリコプタを用いた直播栽培体系とすることによるコスト低減効果は大きくなく、移植栽培体系を直播栽培体系に置き換えただけでは直播栽培に伴う減収を考慮すると経営上のメリットは生じない場合がある。本体系は、田植え作業の省略による飛躍的な規模拡大の手段として活用するものと考える。
図表1 215294-1.gif
図表2 215294-2.gif
図表3 215294-3.gif
図表4 215294-4.gif
カテゴリ 病害虫 肥料 育苗 きく 規模拡大 経営管理 コスト 栽培体系 直播栽培 水田 水稲 施肥 中山間地域 低コスト 播種 病害虫防除 品種

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