簡易測定機器を利用した花き類の栄養診断法

タイトル 簡易測定機器を利用した花き類の栄養診断法
担当機関 栃木県農業試験場
研究期間 1996~1996
研究担当者
発行年度 1996
背景・ねらい 昭和62年以降シクラメンを始めとする、多くの花き類の栄養診断を行って、ステージ別無機成分濃度の診断指標を作成してきた。生産者が自ら診断することで、現場に多発する養分の過不足による生育障害の発生を減らしてきたが、近年、RQflexが開発されたことにより、更に容易に栄養診断の実施できる可能性が高まったため、これまで培ってきた栄養診断技術を活かしたRQflexの使用方法について、その機能性を含めて調査検討する。
成果の内容・特徴
  1. 様々な温度条件下でRQflexを使用したところ、温度が低くなるほど測定値は低くなった。この傾向は濃度が高いほど強まった。(表1)従って、15~25℃の範囲で使用した方がよい。
  2. 迅速養分テスト法(比色)は試薬が植物の組織内に浸透するため、水浸出直後でも十分診断できるが、RQflexは水浸出に頼るため、濃度の上昇に時間を要し、比色とほぼ同じ値になるまでに約30分の浸出時間が必要だった。(表2)また、カード型イオンメーターとの相関係数は0.9997で、比色との相関係数は0.9847でありいずれも高かった。
  3. 種々の試験結果から、RQflexの測定精度は迅速養分テスト法よりも高く、試薬等の取扱も容易なため、簡易栄養診断に十分利用できることが明らかになった。
  4. RQflexで測定する際のマニュアルは以下のとおりである。
    1) 植物体のサンプリング及び診断法
    (1)最上位完全展開葉の葉柄や、付近の茎を2g程度採取する。
    (2)サンプルをよく水洗いしてから拭き、カッターで素早く厚さ2mm程度に切る。
    (3)三角フラスコにサンプルの切片を2g入れてから、純水を加えて20gにする。
    (4)30分間水浸出後、浸出液のみを2mlずつ試験管に分注して、RQflexで測定する。
    注)NH4+ は水浸出のみでは十分な抽出ができないため、水浸出開始と同時に前処理液をサンプル2mlに対して4滴加え、約10分後に測定する。
    2) 土壌溶液のサンプリングおよび診断法
    土耕の場合
    (1)栽培ベッドに針型の土壌溶液採取器をセットし、20ml程度採取する。採取器で土壌溶液が取れない場合はベッドの表土5cmを除き、そこから5cm程度堀り取り、5号鉢に充填して、鉢物の場合に準ずる。
    鉢物の場合
    (1)容器容水量になるよう、12時間以上ひも底面給水する。
    (2)ひもを抜き取り、鉢の表土に20~50mlの水を1秒に1滴のスピードで滴下する。
    (3)鉢底からカルトンに流れ出た排出液を収集し、ろ過する。
    (4)ECを測定し、1.5mS/cmを上回る時は、原液を随時希釈してからRQflexで測定する。
成果の活用面・留意点 生産現場で、誰もが簡易に診断を行うことができ、概ね診断指標付近に維持する施肥管理をすれば、生育障害の発生は激減し、品質向上に大いに寄与できる。
図表1 215345-1.gif
図表2 215345-2.gif
カテゴリ 肥料 栄養診断 簡易測定 機能性 シクラメン 施肥

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