牛個体別体外受精における有効な発生培養液

タイトル 牛個体別体外受精における有効な発生培養液
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1997
要約 牛個体別体外受精後の発生培養にm-SOFやCR1aaを用いることにより、TCM199よりも高い胚盤胞の発生率が得られる。その胚を凍結しても生存性に問題はない。胚の初期発生を阻害するとされるグルコースは、濃度が低いほど胚盤胞の発生率が高くなる。
背景・ねらい 牛個体別体外受精によって優良雌牛由来の良質胚を効率的に生産するために、従来より使用されてきた培養液TCM199に代わって、合成卵管液(m-SOF)やCR1aaを体外受精後の発生培養に使用し、胚盤胞発生率が向上するかどうかの検討を行った。また、m-SOF、CR1aaで作成した胚の品質を調べるために、胚の耐凍性や細胞数も併せて検討した。
成果の内容・特徴
  1. 体外受精後、m-SOF、CR1aaで培養したところ、胚盤胞の発生率はそれぞれ48.6%と43.4%であり、TCM199の19.6%と比べ有意に高い胚盤胞発生率を得た(表1)。
  2. m-SOF、CR1aaから得られた胚を1.5Mエチレングリコールまたは1.4Mグルセリンを用いて凍結後・融解したところ、両耐凍剤ともに、m-SOFの生存率は、6日目胚・7日目胚で高く、CR1aaでは7日目胚が高かった。このことから、この時期の胚が凍結に適していることがわかった(表2)。胚の細胞数については、m-SOF、CR1aa、TCM199それぞれ胚盤胞で98、91、104、拡張胚盤胞が141,141,144であり、統計的な有意差はなかった(表3)。
  3. m-SOF中のグルコース濃度が胚の発生におよぼす影響を調べたところ、グルコース濃度が1.5M、0.5M、0.1M、0Mと低いほど、2細胞以上の胚への分割率が74%から88%へと向上し、胚盤胞への発生率も32%から59%へと向上することが明らかとなった(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 県単独の和牛受精卵供給体制事業において体外受精胚の生産に活用。
  2. 将来、クローン胚の培養に利用。
図表1 215395-1.gif
図表2 215395-2.gif
図表3 215395-3.gif
図表4 215395-4.gif
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