早生で紫黒色の種なしぶどう新品種「サマーブラック」

タイトル 早生で紫黒色の種なしぶどう新品種「サマーブラック」
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 ぶどう新品種「サマーブラック」は、四倍体の「巨峰」に二倍体の「トムソン・シードレス」を交雑して育成した三倍体品種である。紫黒色の種なしぶどうで、ジベレリン処理果の果粒重は7~8g程度、糖度は20~21Brixと極めて高い。「巨峰」より10日程度早く熟す早生品種である。
背景・ねらい 近年、消費者のニーズは高級化、多様化しており、ぶどうの品種育成にあたっては、大粒・高品質・種なし・早熟性などが求められている。こうした中で、種なし・早熟性の生食醸造兼用品種の育成を目的として、三倍体品種の選抜を実施した。
成果の内容・特徴
  1. 山梨県果樹試験場において昭和43年(1968)に四倍体の「巨峰」に、二倍体の「トムソン・シードレス」を交雑し、平成2年(1990)に選抜した(図1)。平成4年(1992)から「ブドウ山梨35号」の系統名でブドウ第8回系統適応性検定試験に供試した結果、有望であることが認められ、平成9年8月19日付けで「ぶどう農林16号」として登録・公表された。現在、種苗法による品種登録を申請中である。
  2. 樹勢は強く、自然果房では花振るいが多い。着粒密度は中であり、摘粒は容易である。三倍体品種で果粒は無核となり、自然状態での大きさは3g程度である。満開時及び満開10日後のジベレリン50ppm処理によって、着粒は安定し、果粒は7~8g程度の大きさとなる(表1、表2、写真1、写真2)。
  3. 果粒は紫黒色で果粉はやや多い。着色は優れており、収穫時まで袋を掛けた状態でも良好な着色が得られる。果皮は厚く、皮離れはやや悪い。肉質は崩壊性と塊状の中間である。糖度は20~21Brixと極めて高く、酸含量は0.5~0.6g/100mlで食味は濃厚である。脱粒性がややあり、果梗の付け根に裂果を生じることがある。
  4. 果実の成熟期は育成地の山梨市で8月上旬であり、「巨峰」より10日程度早い。
  5. 試験醸造したワインはラブラスカ香があり、「巨峰」よりやや色の濃いワインとなった。
成果の活用面・留意点 北海道を除くぶどう生産地帯での露地栽培が可能であるが、特に需要が高まる旧盆前の出荷が可能な山梨県以西の温暖なブドウ地帯での普及が見込まれる。栽培上の留意点として、若木のうちに樹冠を早く拡大し、樹勢を早く落ち着けることが重要である。また、脱粒しやすい傾向があるので、房作りはやや密着した果房になるように仕上げる。防除は「巨峰」と同様の薬剤散布で特に問題となる病害虫は認められない。なお、「サマーブラック」に対するジベレリン水溶剤の適用拡大を申請中である。
図表1 215435-1.gif
図表2 215435-2.gif
図表3 215435-3.gif
図表4 215435-4.jpg
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カテゴリ 病害虫 害虫 出荷調整 新品種 品種 ぶどう 防除 薬剤 良食味 ワイン

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