ハクサイの夏まき栽培における野菜出荷用予冷庫を利用したセル成型苗低温貯蔵技術

タイトル ハクサイの夏まき栽培における野菜出荷用予冷庫を利用したセル成型苗低温貯蔵技術
担当機関 長野県野菜花き試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
背景・ねらい 葉菜類を中心にセル成型苗の普及が進んでいるが、育苗完了後の良好な苗質を維持できる期間が比較的短い。そのため天候不順などによって予定時期に定植できない場合に苗質が低下したり、育苗施設が空かないため次回作付けの育苗が遅れるなどの問題がしばしば生じている。
また、ハクサイは他の葉菜類と比べ根の再生力が弱いため、根鉢形成が過度に進行した場合には活着や初期生育などが劣り、減収を招きやすい。
そこで、良好な苗質の維持と苗の安定供給による計画的な作付け及び育苗施設の効率的な利用を図るために、現地の野菜出荷用予冷庫の利用が可能な、セル成型苗の低温貯蔵技術を確立しようとした。とくにハクサイでは不時抽だいの危険があるため、低温感応に対する品種の反応や貯蔵日数の影響などについて検討しようとした。
成果の内容・特徴
  1. 貯蔵温度は、5℃よりも、子葉の黄化が少なく花芽が形成されにくい2℃が適する。また、人工照明を行うことで乾物重の増加がみられるものの、設備・運転経費を要することや暗黒下でも良好な苗質を維持できることから、暗黒下で貯蔵してよい(表1)。
  2. 抽だいが誘起される低温貯蔵日数は品種によって異なるが、抽だいの危険性を考慮すれば10日間程度の貯蔵が適当である。また、10日間程度の貯蔵では収量に及ぼす影響は無い(表2)。
  3. 貯蔵施設は、温度変動の比較的大きい強制通風式野菜出荷用予冷庫でも、セルトレイの周囲をプラスチックフィルムで覆ったり、段ボール箱内に入れることにより貯蔵温度の変動を小さくできることが可能で、良好な苗質を維持できる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 貯蔵中の乾燥を防ぐため、貯蔵前に十分かん水し、セルトレイの周囲を通気性の低いプラスチックフィルムなどで覆って貯蔵する。また定植に際しては、出庫後かん水し2時間程度日陰で馴化する。
  2. 老化苗や徒長苗は貯蔵性が劣るので、定植可能な状態に達したらすみやかに貯蔵するのが望ましい。
  3. 品種によっては10日間以上の貯蔵が可能であるが、確実な貯蔵を行うため栽培地や作期の違いによる品種反応を試験してから実施する。
図表1 215455-1.gif
図表2 215455-2.gif
図表3 215455-3.gif
カテゴリ 育苗 乾燥 栽培技術 出荷調整 はくさい 品種 保存・貯蔵

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