タイトル |
遺伝子銃利用によるグラジオラスの形質転換系の確立 |
担当機関 |
茨城県農業総合センター |
研究期間 |
1997~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
要約 |
遺伝子銃を用いて,グラジオラスの懸濁培養細胞にGUS遺伝子とハイグロマイシン抵抗性遺伝子を組み込んだプラスミドDNAを導入し,ハイグロマイシン20mg/lを含む選抜培地上で選抜を重ね,形質転換体を得た。
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背景・ねらい |
形質転換手法が確立されていないグラジオラスにウイルス抵抗性等の実用遺伝子を導入するため,当所で開発した高い再分化能を有する懸濁培養細胞に遺伝子銃を用い外来遺伝子を導入する手法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 遺伝子銃(PDS 1000/He)を用いたグラジオラスの懸濁培養細胞への,最適な砲撃条件は,1.6μmの金粒子にプラスミドDNA(pBI221)をコーティングし,ラプチャーディスク1300psi,ターゲットディスタンス12cmで,GUS遺伝子の発現であるブルースポットで確認した(表1)。
- この条件でGUS遺伝子及びハイグロマイシン抵抗性遺伝子を組み込んだプラスミドDNA(pREXH1-GUS)をグラジオラスの懸濁培養細胞に導入した。
- 選抜は,懸濁培養細胞の増殖量が無添加の約1/3程度になるハイグロマイシン20mg/lを添加したMS+NAA10mg/l+Sucrose30g/l+Gelrite8g/lの固形培地に砲撃処理後の懸濁培養細胞を置床し,2週間ごとに継代しながら選抜した。
- 4回以上継代した後,選抜培地上で増殖するカルスや形成された不定胚をハイグロマイシン20mg/lを添加したホルモンフリーのMS平面培地に移植し,2週間ごとに継代しながら,さらに選抜を行った。
- 緑色の葉が形成された小植物集塊はプラントボックスまたはアグリポットに作製したMS+Sucrose60g/l+Agar8g/lの固形培地に移植し,小球を養成した。
- 養成された小球は低温処理をした後,閉鎖系温室で栽培し,本葉が2枚以上展開した個体から葉をサンプリングし,DNAを抽出し,PCR及びPCR-Southernで組み込み遺伝子の確認を行った(図1)。
- 調査した30個体中24個体でハイグロマイシン抵抗性遺伝子が,20個体でGUS遺伝子が確認できた(表2)。
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成果の活用面・留意点 |
本実験で用いた遺伝子は実験用の遺伝子である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
グラジオラス
抵抗性
抵抗性遺伝子
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