タイトル |
マルチ畦内土壌消毒によるカボチャ立枯病の防除 |
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研究期間 |
1994~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1997 |
背景・ねらい |
カボチャ立枯病に対して登録されている土壌くん蒸剤は臭化メチル、クロルピクリン(以下クロピクと略)、ダゾメット微粒剤の3剤と少ない。また、圃場における処理方法はいずれの薬剤も全面消毒である。全面消毒は被覆やガス抜き作業に労力がかかるため、簡易で的確な土壌消毒方法が望まれている。そこで、カボチャの後作のハクサイ栽培が終了した1月~2月下旬の厳冬期に施肥後、クロピク油剤をはじめとする各種土壌くん蒸剤を用いてマルチ畦内土壌消毒(畦幅90、120cm、厚さ0.05mmポリエチレンフィルム被覆、ガス抜き無し、3月~4月定植)を行い、本病に対する防除効果を検討した。
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成果の内容・特徴 |
- 無処理区の発病株率86%、発病度が約64程度の多発生条件下の試験では、クロピク油剤の1穴当たり3ml注入処理、クロピクテープ製剤の10a当たり21~30l相当量の埋め込みや地表面置床処理、カーバムナトリウム塩液剤の1穴当たり3ml注入処理の防除価はいずれも約90以上と高かった(表1)。
- 無処理区の株がすべて枯死に至る甚発生条件下の所内および現地の圃場試験では、カーバムナトリウム塩液剤の1穴当たり4ml注入処理(所内)およびクロピクテープ製剤Aの10a当たり30l相当量の地表面置床処理(現地)の防除価は約50~60とやや低かったが、他処理区の防除価はいずれも約80~100と実用的な高い防除効果が得られた(表2、表3)。
- 以上のようにクロピク油剤をはじめとする土壌くん蒸剤によるマルチ畦内土壌消毒は立枯病防除効果が高く、全面消毒に比較して1/2~2/3程度の薬量が削減できる。また、ガス抜きが不要のため、労力削減が可能である。
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成果の活用面・留意点 |
- クロピクテープ製剤およびカーバムナトリウム塩液剤は本病に対して未登録である。したがって、現在のところマルチ畦内土壌消毒に適用可能な薬剤はクロピク油剤しかない。
- カボチャは茎の地面に接した部分から発根する。マルチ畦内土壌消毒は畦間が消毒されないので、畦間にしきわらを施して茎からの感染・発病を防ぐ必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
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