タイトル | 生理機能性を有するめん類の開発 |
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担当機関 | 東京都立食品技術センター |
研究期間 | 1998~1998 |
研究担当者 | |
発行年度 | 1998 |
要約 | ダッタンソバはルチンなどの生理機能成分を含有している。玄穀をガスバリアー性のある包装資材で真空包装し、マイクロ波(2kW、1分)を照射することにより、ルチン分解酵素(ルチナーゼ)の活性を抑制でき、ルチン分解が抑制できる。 |
背景・ねらい | めん用素材で、生理機能成分を比較的多く期待できる穀物にダッタンソバ(別名ニガソバ)がある。種子中にはルチンが多く含まれ(普通のソバの約100倍)、血圧低下や血管強化などの機能が知られているが、最近では血糖値低下作用のあることも報告され、めん用の新しい機能性素材として注目されている。産地や品種の違いによるルチン含有量の差を把握するとともに、ルチン分解酵素(ルチナーゼ)の抑制方法について検討する。 |
成果の内容・特徴 | 1、ダッタンソバ玄穀を産地別に6種類収集してルチン含有量を測定した。図1より産地により含有量に差がみられ、国産品の中でも岩手県産は100g当たり2000mgを超えるものがあった。 2、岩手県産のダッタンソバ玄穀を用いて、ルチン分解酵素(ルチナーゼ)の抑制方法の検討を行った。玄穀をガスバリアー性のある包装資材で真空包装した後、マイクロ波(2kWで1分程度)を照射するという方法を採用し、包装の膨化後、室温まで冷却して製粉した試料について、酵素の失活の有無を確かめるため、無処理の粉とともに生めん(4割そば)を製造して保存中のルチン含量の減少度を測定する試験を実施した。 3、生めんを室温に8時間放置したときのルチン含量の経時変化は図2のとおりであった。無処理の粉では、生めんを製造するだけでルチン含量が急激に減少していくのに対して、マイクロ波処理の粉では8時間後でも相当量のルチンが残存していた。マイクロ波照射によりルチナーゼがかなり失活したことが明らかであり、ルチン分解抑制のためのマイクロ波照射は有効であると考えられた。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
カテゴリ | 機能性 そば 品種 |