栃木農試式ディスク駆動式播種機を用いた畑作そばの不耕起栽培

• 担当機関: 栃木県農業試験場
• 研究期間: 1999～1999
• 発行年度: 1999
• 要約: そばの不耕起・狭畦栽培は、慣行栽培（耕起・中耕培土有）に比し倒伏がやや多いが成熟期の遅れもなく、同程度の収量を得ることが出来る。雑草は播種前の茎葉処理除草剤の散布で防除できる。基肥と窒素追肥により増収が期待できる。
• 背景・ねらい: 本県の畑作地域では、その低収益性等から不作付畑が急増し、衰退の一途をたどっている。一方、ヤマノイモ、ネギ等の新産地化の動きが見られるが、新作物の定着化を図るには、これらを基幹とし、土地利用型作物（大豆・小麦・そば）との輪作体系の確立と生産性の向上を図ることが規模拡大や園芸振興上からも必要である。そこで、土地利用型作物（そば）での省力機械化技術である不耕起栽培について技術の確立を図る。

成果の内容・特徴

1. 不耕起・狭畦栽培（畦巾30cm）は、慣行栽培（畦巾60cm）と比べ、出芽期・開花期・成熟期等で差は見られないが、倒伏がやや多く、成熟期の生育がやや劣る傾向が見られるが、収量は慣行栽培並に確保できる（表1）。
   
2. 不耕起栽培の初期生育は、狭畦栽培では、慣行栽培とほぼ同程度であるが、広畦栽培ではやや劣る傾向が見られる（表1）。
   
3. 不耕起・狭畦栽培の播種量は0.7～0.8kg/aで対応できる（表1）。
   
4. 麦跡での播種作業への麦稈量の影響は、麦収穫後そば播種までの期間が長いため、その影響は見られず、また、生育は主茎長がやや短くなる傾向が見られるが、収量への影響は見られない。不耕起・狭畦栽培での基肥窒素施肥量は慣行栽培と同程度の0.2kg/aが適当である（表2・表4）。
   
5. 窒素追肥（0.2kg/a）は草丈の伸長に影響するが、増収が期待でき、追肥の時期は着蕾期から開花期までがよい（表3）。
   
6. 雑草の発生は、不耕起栽培が慣行栽培より多く、不耕起栽培では広畦が狭畦より多い。不耕起播種時での雑草の発生は、出芽・苗立数の低下、初期生育の抑制になることから播種前の茎葉処理除草剤の散布が必要である。麦稈は雑草発生を抑制する（表1・4）。
   

成果の活用面・留意点

1. 不耕起播種機は、栃木農試式ディスク駆動式播種機である（試作機）。
   
2. 畑作そばでの栽培適用である。
   
3. 供試土壌は表層多腐植質黒ボク土である。
   
4. 除草剤はいずれも未登録である。
   

• カテゴリ: 病害虫 機械化 規模拡大 狭畦栽培 小麦 雑草 除草剤 施肥 そば 大豆 ねぎ 播種 不耕起栽培 防除 やまのいも 輪作体系