黒毛和種去勢牛の肥育後期におけるビタミンA給与技術

タイトル 黒毛和種去勢牛の肥育後期におけるビタミンA給与技術
担当機関 栃木県畜産試験場
研究期間 1998~1999
研究担当者
発行年度 1999
要約 黒毛和種去勢牛10頭を2群に分けて、肥育前期にビタミンA無添加飼料を給与し、肥育後期(25カ月齢以降)は日本飼養標準に即してビタミンAを給与した「標準区」と、1/2量を給与した「1/2区」の肥育成績を比較した。標準区のBMSは7.6で、1/2区の4.4より高くなった(p&st;0.01)。
背景・ねらい ビタミンAと肉質の間には負の相関があると報告されてから久しいが、現在でも必要以上にビタミンAを制限して肥育するあまり、筋間浮腫(ズル)等ビタミンA欠乏症による経済的損失を招いている例がみられている。当場では、すでに1回目の試験で、肥育前期にビタミンAを制限して肥育すると、BMSを向上できることを報告している。今回の試験では、肥育後期のビタミンAの適切な給与量について検討し、ビタミンA制限による高品質牛肉生産技術の確立を目的とした。
成果の内容・特徴
  1. 黒毛和種去勢牛10頭を供試して、31カ月齢まで肥育した。肥育前期を24ヶ月齢、肥育後期を25~31ヶ月齢とした。肥育前期はビタミンA無添加飼料を給与し、肥育後期は日本飼養標準に即してビタミンAを給与する「標準区」(5頭)と、この1/2の量を給与する「1/2区」(5頭)とを設定した。
  2. 肥育前期の血漿中ビタミンA濃度は、徐々に減少し、前期終了時には両区とも最小必要量と考えられる30IU/dlを下回って推移し(表1)、増体量(図1)や飼料摂取量(図2)が減少した。この際四肢の腫脹、盲目等は認められなかった。
  3. 肥育後期、ビタミンAを添加し始めると標準区、1/2区とも約1ヶ月間で血漿中ビタミンA値は正常値の範囲に回復した。
  4. 枝肉成績を表2に示した。BMSは、標準区7.6、1/2区4.6となり、標準区の方が高い数値を示した(p&st;0.01)。
  5. BMS以外の枝肉成績についても、標準区の数値が良い傾向を示し、総合的な枝肉の評価は標準区の方が優れていた。この原因の1つは、肥育後期に至っても飼料摂取量が良好に推移したことが考えられる。
  6. 以上より、肥育後期については、ビタミンAを制限して肥育するよりは、日本飼養標準に即してビタミンAを給与して濃厚飼料を多く摂取させた方が良いと判断された。
成果の活用面・留意点
  1. 試験に供した牛は、宮崎県産の隆桜、母の父を糸秀(1頭を除く)に統一した。
  2. ビタミンAを制限していた肥育前期における血漿中ビタミンA濃度の低下速度は、肝臓に貯蓄していたビタミンA量の違いも要因の一つと考えられるが、個体差が観察され、標準区は、特に17カ月齢時で1/2区より低かった(p&st;0.05)。このことが、BMS向上の一つの要因となっていたのではないかと推察された。
  3. 今回は、肥育前期終了時の血漿中のビタミンA量が最も低下した時期と夏場が一致し、体重が減少するような大きなストレスが加わったと考えられ、一般的にはこの時期に、ビタミンA添加が必要であったと考えられた。
図表1 216027-1.gif
図表2 216027-2.gif
図表3 216027-3.gif
図表4 216027-4.gif
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