タイトル |
規格外かき果実の有効利用のための粉末加工法 |
担当機関 |
岐阜県農業技術研究所 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
格外品等の甘がき果実を利用して、ツマ状に裁断し0.1%のパントテン酸カルシウム溶液に3時間浸漬し、切片を低温通風乾燥機(20~35℃)で24時間以上乾燥させて粉砕するとほのかな香りと甘みがある粉末ができ、加工食品への利用が期待される。
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背景・ねらい |
かき果実はビタミンCやタンニン等を豊富に含んでおり、機能性素材として注目されている。しかし、かきの果実は生食が一般的で、供給される期間は9~12月と短い。また、加工利用の現状は、干し柿・柿酢などと他の果物に比べると種類が非常に少ない。一方、かきの生産現場では、出荷に適さない小玉果や傷果、汚損果などの格外果実は約1割程度あり、ほ場等に廃棄しているのが現状である。そこで、かきの格外品等の有効利用と、消費拡大を図るための用途開発を行う。
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成果の内容・特徴 |
- 甘がき果実を2mm角のツマ状に裁断して、パントテン酸カルシウム0.1%以上の溶液に3時間浸漬する。浸漬時間が短いと粉砕した粉末が吸湿して固まり、取り扱い難い。浸漬時間が長いと果肉内の成分の流亡が多くなる(図1、表1)。
- 低温通風乾燥機(20~35℃)で24時間以上乾燥させ、水分含量を10%以下にする。乾燥温度を60℃以上の高温にすると、褐変して粉末が黒くなり品質が悪化する。
- 乾燥後半に乾燥温度を低温(20℃)にすると、カキ切片の仕上がりがよく(カリッとした状態)、粉砕しやすくなる。
- 粉末の粒度分布は250μm以下の割合が、粉砕刃回転式ミルは約40%であるが、振動ミル(ボールミル)は約75%と高く、粉砕には振動ミル利用が効果的である(表2)。
- 粉末は、開放状態では吸湿し固まり、酸化して変色するので、脱気密閉しておけば半年程度の貯蔵は可能である(図1)。
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成果の活用面・留意点 |
- 軟化した果実及び渋がきは利用できない。
- 粉末の糖含量は50%以上となるが、カルシウム浸漬時間を長くすると流亡して減少する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
かき
加工
乾燥
機能性
出荷調整
消費拡大
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