タイトル |
抑制トマトの直播栽培法 |
担当機関 |
千葉県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1999 |
要約 |
抑制トマトの直播栽培法は、慣行のポット育苗による移植栽培法に比べて、播種から定植までの作業時間が半分以下に省力化でき、収量も約20%増加する。この栽培法では、テープシーダーを用いて1粒播きし、出芽揃い期までは不織布でべたがけ被覆する。また、かん水は播種後から5葉期までと果実肥大期以降に行う。
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背景・ねらい |
千葉県内のトマトの主要作型である抑制栽培は、移植栽培で6~7月の高温期にハウス内で育苗、定植管理作業を行うことから、栽培者にとって肉体的に大きな負担となっている。そこで、育苗・定植作業の省力化および収量向上を目的として、直播栽培法を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 種子を株間間隔(約40cm)に1粒づつ封入したシーダーテープを用い、覆土1cm程度になるようにテープシーダーで播種する。苗立率は90%程度となる(表1)。
- 播種から定植までにかかる労働時間が従来の半分以下に短縮できる(図1)。
- 可販果収量は欠株が10%あるにもかかわらず、同日に播種した慣行のポット移植栽培に比べて約20%増加する(表2)。
- 播種後から5葉期までは地下20cm部がpF2.3まで乾燥した時に1回当たり20mm程度かん水を行い、それ以降はいったんかん水を控える。果実肥大期に再開し、以後はpF2.0まで乾燥した時に1回当たり15mm程度かん水する(図表省略)。
- 直播栽培では下位節の葉が慣行栽培より大きくなり(図表省略)、地下部は直根が深く伸び、細根は少なくなる(写真1)。
- その他の肥培管理は慣行栽培とほぼ同様でよい。
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成果の活用面・留意点 |
- 「ハウス桃太郎」など出芽率が高い品種を用いる。
- ネキリムシ、アブラムシなどの害虫防除のために、薬剤防除するとともにハウスの側面を寒冷紗などで覆う。
- 出芽、苗立ちを確保するためなどに用いる不織布は、出芽後に強風があると胚軸が折れる原因になるので出芽揃い期に除去する。
- 青枯れ病などの土壌病害の発生が懸念される圃場では直播栽培は行わない。萎凋病発生圃場では抵抗性品種を用いる。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
青枯れ病
育苗
害虫
乾燥
栽培技術
直播栽培
収量向上
省力化
たんかん
抵抗性品種
トマト
播種
肥培管理
品種
防除
薬剤
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